お金のことを考えるのが嫌だと考える人は多いと思います。
その理由の一つは、お金のことを考えることが不安だからです。
その不安感とは、うまく付き合うことが必要です。
その不安感を解消しようと何かに飛びつくと、たいてい、よいことはありません。
ただ、不安感を解消しようとするエネルギーはとても強い力があり衝動性もあります。
■不安感をあおるのは金融商品販売の常套手段
実は、この性質を利用した営業活動が世の中少なくはありません。
金融分野でもその傾向が顕著だと僕は感じています。
金融関係の営業職にある人や金融の専門家は、「今のままでは将来のお金のことで困る」ということを、あの手この手で人に話す傾向にあります。
なぜならば、不安感をあおることで商品の販売等につながるからです。
前述の通り、不安感から逃れたいというエネルギーには衝動性があるので、それをあおればすぐに結果として反映される傾向があります。
詐欺的な金融商品を販売する場合では、その傾向が特に顕著です。
こういうケースでは、不安感をあおりやすいように自分が相手より上のポジションにいるのだと上限関係を作るような言動を行う傾向もまた見られます。
もちろん、お金の不安感について全く言及しないのは、それはそれで不自然ですが、基本的に執拗にあおる人がいたら、その人のことを疑ってかかるべきだと考えます。
その背後には、不安感をあおることで自分の意図に相手を乗せようという目論見があると考えられるからです。
■お金の不安感をむやみに解消しようとしない
お金の不安感を解消しようとする姿勢は大事です。しかしこれをやれば即解消というものはありません。
一時的に何かで解消できたとしても、また他の形で浮かび上がってくるでしょう。
むしろ、居心地が悪かったとしても、その感情とともにいるという姿勢が大事だと僕は思います。
それをすぐに解消しようとすると、冷静な判断に基づいた行動ができずに逆効果ということにもなりかねません。
すぐに解消して行動する行為は、前に書いた痛みを避けるモチベーションに基づく反射的な行動になりがちです。
嫌な感情というのは、逃げようとそればするほど追いかけてくる傾向があります。
まずは冷静になって、その感情があることを自分の中でしっかり受け止めることが必要になります。
人間は常に感情の揺れ動きがあるものなので、ずっといい気持ちの状態でいるのが難しいのと同様にずっと気持ちの悪い状態でいることもまた難しい生き物です。
受け止めてすぐに対処するのではなく、そのままでいるという姿勢。こういった姿勢を持つだけでどこかのタイミングで以前よりも気持ちが楽になります。