みなさんは、例えば、仕事で上司に怒られたときに同僚と比較されて何か言われたことはありますか?
あるという方は、そのときにどんな感情を抱きましたか?
今回は、人と比較するということについて書きたいと思います。
■他人との比較
ちなみに、上記の質問を上司にされたときは正直あまりいい気持にならない人が大半ではないかと思います。
それは、自分の頑張りが評価されていない、自分のことを見てくれていないと思うからです。
どの分野においても、自分より上の人というのは存在します。
ですので、他人と比較すれば自分のことをどうとでも悪くいうことは可能です。
他人と自分とを比較しても、結局自信を失うだけです。
逆に人と比較して上司に褒められた場合も、さらにそれよりも上がいるわけですので、ここから生まれた自信もすぐに失われてしまうでしょう。
■過去の自分との比較
逆に、例えば、上司に褒められたときに過去の自分と比較されて褒められたらどうでしょうか.
きっと、今度は嬉しく感じる人が多いと思います。
これは、自分のことをよく見てくれていると感じるからです。
反対に怒られたときも、過去の自分と比較して怒られたなら、他人との比較よりは素直に受け入れる気持ちになりやすいと思います。
■他人ではなく自分と比較する
メジャーリーグで活躍し昨年引退したイチロー選手は、ヒットを打っても、首をかしげることがよくありました。
それは、ヒットにはなっても自分の理想のバッティングフォームとは違っていて、過去の自分より進歩するヒットではなかったからではないかと僕は想像します。
そういう意識があったからこそ、日本からアメリカに行っても、高いパフォーマンスを上げることができていたのだと思います。
比較は、他人とではなく過去の自分とするものです。
今、自分がどんなに悪い状況にあっても、過去の自分よりもよくなっていたら、それは自信をもっていいことです。
その反面、自分がどんなにいい状況でも、過去の自分と比べて向上していなかったら、その事実をしっかり認めて改善点を探した方が賢明です。
人は外ばかりみようとする傾向があります。
世の中には、すごい人がたくさんいます。
そんな人を見て、その人にできて自分にはできていないことは何かを考える。
これも確かに、自分を向上させるためには必要です。
その一方で、比較をしていたら、どうとでも考えることができます。
自分の現状がどうであろうと、自分よりも必ず上のレベルの人もいれば、そうでない人もいます。
比較は、やり始めたらきりがないですよね。
ですので、比較ばかりすることにはあまり意味がないのではないか。
僕はそう思います。
■自分と他人とを比較するということは
そもそも、自分と他人とが全く同じということはありません。
年齢、出身、経歴等々、全てが同じ人という人は、この世にいないでしょう。
そんな他人をはかる物差しと、自分をはかる物差しを同じにはできないはずです。
この点、自分と他人との共通項を物差しにすればよいという考え方もあるかもしれません。
しかし、その共通項もよく考えるとその人特有の事情も絡んでくるので、単純な共通項を物差しにすることはできないと思います。
違う物差しで、2つを比較するのってよく考えるとナンセンスだなと感じます。
物差しが違うのに比較して思い悩む。これはおかしいことなのかもしれません。
■スポーツ、具体的には野球を例に考えてみると
高校野球だと、地方大会で毎年5割、6割の打率の成績を残して甲子園に来るバッターがいます。
だからといって、その打率を残した選手が甲子園でも一番ヒットを打っているということは、ほとんどありません。
確かに、同年代の高校生の間で比較するので、客観的な比較ができそうにもみえます。
しかし、地方大会といってもそれぞれのバッターが対戦している投手は違います。
グラウンド、気候、試合展開等々、他にもいろんな違いがあります。
ですので、地方大会の打率のみで、選手の打力をはかることはできません。
また、高校野球で打率が5割だから、プロ野球で3割打っている選手よりも打力が上かというと、そう考える人はいないでしょう。
こういう例を挙げると、「そんなの当たり前だろう」と感じると思います。
しかし、違う物差しで比較するというのは、上記のような比較をしているのと同じことです。
■他人と比較する人生を終わりにする
同じ物差しだからこそ、比較はできます。
その同じ物差しとは自分でしかありません。
自分と唯一比較できるのは自分だけ。
より具体的にいえば、過去の自分と今の自分との比較だけです。
人と比較してあれこれ悩むことは終わりにしましょう。
人と比較しなくなると、精神的にとても楽になります。
また、自分をより客観的にみることができるようになります。
自分は自分、他人は他人。もちろん、自分を正当化する言い訳として使うのは論外でしょう。
ただ、いい意味でこういう思考を持つことが、情報のあふれた今の時代に求められているんだと思います。
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