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資産運用する際に見逃されがちなお金以外の資産

資産運用する際に見逃されがちなお金以外の資産

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。今年はコロナウィルス感染症の影響もあり、お金に焦点が当たった1年でした。ここ数年資産運用に関心を持つ方は増えていましたが、ネット証券の口座開設が大きく増えたことからもそのことが伺えます。

お金に注目することで自分のライフスタイルを見直すことにもつながるので、これは歓迎することだと思っていますが、ここからさらに広がっていくとよいなと感じていることがあります。それは無形資産に関することです。

資産というと、お金という目に見える資産のことを一般的には指します。しかし実は、お金以外にも目に見えない様々な資産があります。ここも含めて注目して生きることが、よりありたいライフスタイルを築く生活を送る上で大切だと考えています。

そこで今回は、この有形資産と無形資産というテーマで書いてみたいと思います。

FIREというライフスタイルの流行

みなさんはFIREという言葉は聞いたことがありますか?これは今アメリカの一部の若者の間で流行している考え方です。FIREとは(Financial Independence and Retire Early)、つまり、経済的自由を手に入れて早期リタイアするライフスタイルのことです。

これを実現するために、株式投資を若いうちに始め、早くまとまった資産を持とうという考える若者が日本でも増えているように感じます。資産運用でまとまった資産を作れば、配当収入だけで生活費を確保することができる、ということなのでしょう。この点に関する書籍を目にする機会も増えました。

これも資産を着目して、自分のありたいライフスタイルを築くというスタイルです。

もちろん、これはこれで1つの考え方ではありますが、ここに意識を置き過ぎると、目に見えない無形資産をおろそかにしてしまわないかとも感じます。

無形資産とは?

無形資産とはその名の通り、目に見えない資産のことを指す、とても広い言葉です。この無形資産には、信用などゆくゆく有形資産に変換できるものもあれば、人間関係など人生を豊かにしてくれるものもあります。

昔からお金について発信をしている方の中でも、最近はこの無形資産にも着目し始めている方が増えているように思います。お金を増やすだけでは、生きていくことが難しい時代に入ってきているという、時代の変化を感じさせられます。

この無形資産は、有形資産であるお金を得るためにも、人生を豊かにするというお金以外の面においても、重要です。

お金より無形資産に着目し始めている銀行業界

銀行は、土地などの目に見える担保がないと融資をしないという姿勢をバブル崩壊以降に強めました。しかしこれでは、新しくビジネスを始めるなど方にとっては、融資を受けるのが難しくなってしまい、様々な弊害も生まれています。

そこで現在は、金融庁が中心となって銀行に目に見えない価値にも注目して融資をするように指導をしている状況にあります。そして、そういった当局の指導がなくても、まさにそこに着目し無担保ローンを積極的に行っている金融機関もまた出てきています。

そしてそういった金融機関は、お客さまとのコミュニケーションも大事にしていて、お金の貸し借りだけの関係性を築くことを大切にして日々活動しています。

半沢直樹に見る無形資産

半沢直樹を今年視聴した方は、たくさんいらっしゃるのではないかと思います。その半沢直樹が再建に乗り出す帝国航空でのシーンが、無形資産を考えるヒントになります。

再建案を作成する前に、彼は帝国航空の各部署を見て回り、財務諸表からは見えない帝国航空の資産に注目します。その中で高く評価したのが、仕事のプライドをもって働いていて顧客満足度の高い現場の社員です。一方で問題だと感じたのが、縦割りの弊害です。これは反対に目に見えない負債と考えることができます。

最終的には再建計画という数字の計画書を作成しますが、その数字の背景には帝国航空の目に見えない資産と負債がありました。

このように無形資産も今お金という形にはなっていないものの、何かあればお金に変換できるものです。金融庁もこういう側面にも着目すれば、もっといろんな方が融資を受けて事業を展開できるため、銀行に上記のような指導をしていると考えることができます。

無形資産に着目する理由は?

上記の例は融資をする銀行の話ではありましたが、一般の個人の方にとって無形資産の大切さは同じです。現にみなさんがされているお仕事も無形資産の賜物だと考えることもできます。

今みなさんが勤務されている会社に入社する際には入社面接があったかと思います。そのときに会社にアピールしたのは、今までのお仕事の実績であったり、やる気であったりと、まさに無形資産であったはずです。その無形資産から会社の売上に貢献できると判断され、今の勤務先で仕事をしているわけです。

このように見れば、資産を増やすには無形資産にも着目する必要があることがわかります。さらに前述の通り、無形資産は資産が増える以上の意義もあります。

無形資産は人生も豊かにする

無形資産の主要なものには人間関係が挙げられます。どのような生活をしていても、他人とコミュニケーションを取らないということはありません。その人との関わりから生まれる絆も見逃せない無形資産です。

良好な人間関係を築いていれば、毎日の生活が楽しくなりますし、精神的なやすらぎにもつながります。また緊急事態があったときに助けてくれるのも、こういった人間関係があってこそです。お金だけたくさんあったとしても、これらは得られるのは限りません。

こういったことはかつて東日本大震災、そして今年の新型コロナウィルス感染症によるロックダウン実施などで感じられた方も少なくないと思います。

このように、無形資産はお金という有形資産を増やすことに加え、人生を豊かにする意味でもとても大事になってきます。

無形資産をどう増やすか?

無形資産と一口にいってもいろんなものがあります。一くくりにして「こうすれば無形資産を増やせる」というような方程式はなく、意識して無形資産を増やしていくのは困難かもしれません。

ただし一つ言えるのは、計画性が大事であるということです。

資産を管理するときに家計簿を作ると思いますが、これは今持っている資産の洗い直しをすることでもあります。これと同じことを無形資産でもしてみるとよいのではないかと私は考えています。

そのためにも今どんな無形資産を持っているか把握することが大事です。

そして自分がどんなライフスタイルでありたいかを考えることです。そこがわかれば、どんな無形資産を伸ばしていったらいいか方針が見えてきます。

ここは数字で計測するのが困難ですし、厳密に計画を立てて管理するのはおそらく無理でしょう。ただし、こういったことに意識を向けるときで日々の行動の指針が生まれます。

とても地味ですぐに効果が出るものではありませんが、こういった姿勢は今後さらに重要になってくると考えています。

まとめ

このように資産には、目に見える資産と目に見えない資産の2つがあります。この視点で見れば、それぞれをどう増やしていったらいいか意識するようになり、より豊かに過ごすことができるようになります。

資産運用を無形資産も含めた運用と捉えれば、おそらく日々の時間の過ごし方やお金の使い方も変わってくるでしょう。

FP(ファイナンシャルプランナー)として、資産運用のお手伝いをするというと、このうちの有形資産だけの支援になりがちです。無形資産の形成まで支援できればとは思いますが、この点まで支援するとしたら何ができるかということは常々考えています。

こういった無形資産も含めた資産形成というテーマでもご相談を承りますので、お気軽にお問い合わせください。

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