お金が増えても幸せにはならない(1)

お金を増やすことは必要なものの、そのときの心理に着目すると、注意点がいくつかあります。

今回はそれらの点について書いてみます。

「お金がもっとあったら〇〇できるのになあ」。こういうことを口癖のように言ったり、頭の中で考える方はいらっしゃいますか

意識していなくても、無意識的にこういうことを多かれ少なかれみなさん考えることがあるのではないかと思います。

これには、2つの側面があるのではないかと僕は考えています。

■お金とは違った問題をお金の問題にすり替えている

お金の問題がテーマのお話を伺っていくと、実はお金の問題ではないということが数多くあります。

お金はある意味で、とても強い力を持っているせいか、それさえあれば困っている問題がすべてうまくいくという思考になりがちです。

例えば、「お金があればもっと楽しく生活できるのに」と感じることはみなさん、よくあるのではないでしょうか。

このときは「楽しく生活」の部分に注目してみるといいと思います。

それがどんな生活なのか落ち着いて考えてみます。

すると、お金がなくても生活の中で「楽しい」と感じる瞬間はたくさんあることに気がつくかもしれません。

「お金があればもっと〇〇できるのに」と感じるときの「〇〇」はお金と結びつきやすいです。

そう感じるときは本当に「〇〇」とお金が結びついているかどうか。冷静に考えてみると案外、関連性がないということも多々あります。

さらにいうと「お金があればもっと〇〇できるのに」と感じる今この瞬間に「なんでそう感じるか」に注目してみるともっといいと思います。

そう感じる原因は、おそらく今自分の中で満たされてない「何か」があるからです。

お金はそういう自分の心の中にある「何か」を覆い隠してしまう力があります。

「お金があればもっと〇〇できるのに」と感じたときは「お金がなくても〇〇できないか」と自分に問いかける質問へ変えてみると、お金以外に考える事項があることに気がつくかもしれません。

■自分の場合

僕自身も「お金があればもっと楽しい生活ができるのに」と20代のときに常々思っていました。

そのためには起業しないといけないと感じて、とにかくいろんな本を読んだり、セミナーに行ったり、人に会っていました。

もちろん、その時には「お金がなくても楽しく生活できないか」ということは全く考えません。

その延長線上で起業をし結局失敗しました。

いろんな意味で身動きが取れなくなったのですが、そこで初めてこういうことを考えるようになりました。

僕の場合、お金がなくてもなんとか生活をやりくりしないといけない状況になって、初めてお金はなくても楽しく生活ができないかを考えるようになりました。

結局そこで、当初自分が思っていたほどお金はなくても案外楽しい生活ができることに僕は気がつきました。

お金を欲する理由も落ち着いて内省して考えてみたら、「早く何か大きな存在にならないといけない」という「あせり」が原因でした。

それが何なのかは、またしばらく内省を続けて向き合っていったのですが、こういうことにまず気がつけただけで、とても生きやすくなりました。

■人間が欲するのは感情

何かを欲するものの背後には人間の感情があります。

よく考えると、お金は、その感情を満たす一つの手段なんですよね。

将来に向けて資産形成をすることはもちろん大事なことです。

ただ、一番なのはなぜ資産形成するか、それにより自分がどうなっていたいかということです。

資産形成は目的ではなく手段のはずですが、ときには逆転しがちです。

お金を増やすことそのものでは、人は幸せにはなりません。

資産形成をしたいと考える方の中には、資産形成をする前に自分にとっての幸せや理想の生活とはどんなものなのか。

ここを考える方が先な方も少なからずいらっしゃるように思います。

僕が本当にやりたいこともお金を増やすことそのもののお手伝いではありません。

やりたいのは、まさに一人一人がお金の背後にある大事なものを見つけ、それが満たされた生活ができるようにお手伝いすることです。

投資信託を用いた資産形成のお手伝いを通じ、それを実践していこうと再度思い直しました。

次回は「お金がもっとあったら〇〇できるのになあ」と感じるときに注意する点の2つ目についてさらに書いてみたいと思います。