投資で損をするお客さまは何に怒っているか?

金融機関勤務時代の様々なお客さまを見ていると、投資でお客さまが利益を上げることもあれば、そうでない場合もあります。

この中で、印象に残っているのはどちらかというとお客さまが損を出した時の方です。

そして、昔から友人・知人からこのお客さまが投資で損をしたときの話について聞かれることが多々あります。

そういうこともあり、お客さまが投資で損した場面について考える機会も多いのですが、こういう場面で、人間の心理が浮き彫りになることにあるとき気がつきました。

投資におけるメンタル面の大切さが伝わればと思い、今日は「投資で損をするお客さまは何に怒っているか?」というテーマで書いてみたいと思います。

■投資で損を出した時の営業員の態度

毎日様々な投資商品をお客さまに提案している営業員であれば、当然ながら担当するお客さまで損失を出す方もいらっしゃいます。

その時は、もちろん、その状況についてフォローをする必要があるのですが、正直なところ、十分お客様にフォローできていないのが現状です。

なぜ、そうなるのか、いくつか理由を以下書いてみます。

■連絡したいと思うものの連絡する時間がない

まず、営業員がお客様に連絡しようと感じている場合でも、物理的にそれが難しいケースが存在します。

証券会社の営業員は、一人で非常にたくさんのお客様を担当しており、一人で数百人を担当することもザラです。

ですので、全てのお客さまに満遍なく連絡するのは無理があります。

その結果どうなるかと言えば、大口のお客さま、連絡したらすぐに取引につながりそうなお客さまへのフォローに偏るということになります。

■損失が大したことはないと思っている

次に、そもそも営業員がお客さまに連絡する認識がないパターンもあります。

程度にもよりますが、損失が出たときにどれだけ痛手に感じているか、営業員とお客さまとで認識の違いがあります。

この違いから、お客さまが痛手に感じているのに、営業員がそこまでではないと感じている場合、フォローの電話や訪問がない場合があります。

なぜ、こういうことが起きるかといえば、営業員とお客さまとのコミュニケーション不足です。

前述の通り、営業員は一人で非常にたくさんのお客様を担当しているため、一人一人のお客様の投資スタンスやリスク許容度や性格などを正確に把握することは困難です。

その上、全国転勤のある営業員であれば(大半はそうですが)、担当も数年おきに変更になります。

そういう状況からコミュニケーション不足が起きがちです。

■お客さまに連絡するのが怖い

一番タチが悪いのがこのケースです。これは、営業員の資質に関わる問題ですので、看過できない部分です。

損失を出すとひどくお怒りになるお客さまであると営業員が予想できる場合、連絡するのがおっくうに感じます。

フォローするのが体力的にも精神的にも負担に感じ、連絡するのが遅くなる、もしくは連絡しないというパターンさえなくはありません。

また、一度大きな損をさせてしまい、再度同じようなケースになってしまった場合も、何とお客さまに連絡していいかわからずに連絡が遅れたり、連絡しないというパターンも存在します。

■投資で損失を出したときのお客さまの態度

損失を出した時、お客さまは当然ながらいい顔はされません。具体的な反応は、お一人お一人違いますが、一定の傾向が見られます。

特筆するべき点は、投資で損をすることではなく、営業員の自分に対する対応についてお怒りになる方がほとんどであるということです。

お怒りになる理由として具体的によく上がってくるのは、担当者のフォローがないということです。

これには、物理的に厳しい状況にあり、連絡できなかったケースも一部あります。しかし、大半は普段はある程度連絡があるのに、肝心なときに連絡がないというケースがほとんどです。

商品を売りたい時だけ連絡してくるが、損失を出てどう対応していいか不安なときには連絡してこない、その営業員の態度にお怒りになるケースが多いということです。

よく、いろんな方に、投資で損失を出した時に「損失をどうにかしろ!」とお客さまがお怒りのときにどうしているか、と聞かれることがあります。

今の時代、投資は自己責任で行う認識がだいぶ浸透してきていますので、そういうことをおっしゃるお客さまはほとんどいません。

また、営業員の方でも、損失補填をほのめかすということはしませんし、そもそもそういう行為は法令で禁止されています。

■投資においてメンタル面の比重は大きい

ここで、伝えたいことは証券会社の営業員がけしからんとか、そういう話ではありません。

営業活動を行う立場であれ、投資を行う側であれ、投資に関連した活動には精神的に負荷がかかります。

そういったメンタル面が投資を行う上で、とても大きな比重を占めているということです。

投資の世界で絶対に利益に出るということはありません。「百発百中」がないのであれば、損失を出したときにどう対応するのかが大きなポイントになります。

投資信託のケースでは長期的な運用を目指していくパターンが大半ですので、損失が出たときにいかに売らないか、何もしないかがポイントになるケースが多々出てくると思います。

僕がこのブログで心理面に関する記事をたくさん書いているのも、まさにここが投資で一番大事な部分であると考えているからです。

投資におけるメンタル面の大切さが少しでも伝われば幸いです。