お金を増やすというと、投資について考えがちです。しかし、投資を行う前に、お金の使い方をまずは見直すことが大切です。詳細は過去の記事を御覧下さい。
このお金の使い方については、日々の生活に必要な生活費に使う「消費」、いわば自分への設備投資として使う「投資」、将来にための貯める「貯金」の3つの部分に分けられます。この点の詳細についても過去の記事を御覧下さい。
この「貯金」ですが、その中身には種類があります。今回は、この点について記載し、どのように貯金をしていったらいいかについて解説いたします。
■3つの資金の種類
貯金する資金は3種類あります。
生活資金:生活費の最低3か月のお金
使う予定のある資金:今後3~5年以内に発生するライフイベントに備えたお金
しばらく使う予定のない資金:今後5年以内に使う予定のないお金
生活していく中では、日々の生活費が当然ながら必要です。ただ、日々の生活で病気になったり失職等の不測の事態になるおそれもあります。そこで、1か月の生活費だけでなく、あとさらに少なくとも数か月分の資金は手元に置いておく必要があります。これはあくまで目安なので、人によっては6か月から1年程度の生活費を確保しておいた方がよい場合もあります。
それ以外では、日々の生活費では賄えない大きな出費のあるライフイベントに備えた資金が必要になります。
使う予定のある資金になりそうな例としては、社会に出たばかりの方であれば、結婚資金が1つとして挙げられるでしょう。お子さんが生まれた方で一戸建てやマンションの購入をお考えの方であれば、その頭金もその資金になると考えることができます。
■投資は余裕資金で行うのが基本
使う予定のある資金は、貯金で賄うのが基本です。この資金を資産運用で増やすのは基本的にはおすすめしません。期間が比較的短期間ですので、資産運用によりお金を増やすのに十分な時間があるとは言えないからです。
むしろ、投資に回すのは、少なくとも5年以上は使う予定のない資金です。おそらく、たいていの方にとっては、お子さんが生まれた後の大学入学のための教育費や老後生活資金の確保などはそういった資金を使った運用の目的になる場合が多いでしょう。
このように、生活資金以外の金額は全額投資に回すのではなく、そのお金を貯金と投資に振り分ける発想が大事になります。
■まずは生活資金を貯める
毎月の生活費の最低3か月は、病気や失職等の不測の事態に備えて必要になります。将来のことも大切ですが、今現在の生活が脅かされたら将来も何もありません。
毎月の生活費の最低3か月の貯金がない場合は、まずは毎月の生活費の黒字分は全てこの資金を貯めるために充てましょう。
その後に、今後の3~5年のライフイベントで使う予定のある資金とさらに長期のライフイベントに備えたしばらく使う予定のない資金に振り分けてお金を貯めていくとよいでしょう。
■貯金を考えてから投資を考える
今や年金問題が社会の関心を集めているため、とにかく投資してお金を増やさなければいけないと、あせった気持ちになる方も少なくないと感じます。
しかし、投資をする前には貯金について考える必要があります。貯金で足りない分を補うために投資という手段が必要になってきます。こういった優先順位をしっかり考える必要があります。
周囲の情報も惑わされず、今自分にとって必要なのはどの部分なのか、今一度考えてみて下さいね。
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