今回は、投資信託のそれぞれのおおまかの種類とそれぞれの特徴について書いたみたいと思います。
投資信託の運用スタイルには大きく分けてパッシブとアクティブの2つに分類されます。
■それぞれのファンドの特徴
パッシブというのは、日本語にすると受動的という意味ですが、このパッシブ運用はあるまとまった市場全体の動きを反映するように運用する手法です。
例えば、日本株なら、日経平均株価といった株価指数と同じように動くファンドが代表的なインデックスファンドのタイプの1つです。
運用方法がシンプルな分、運用コストは比較的低めになります。
一方でアクティブというのは能動的という意味ですが、このアクティブ運用は指数(や指数に採用されている銘柄)にとらわれない独自の運用を行う手法です。
例えば、日本株なら、特定の指数にとらわれず、投資信託会社の運用担当者が何らかの視点で選定した数十社の会社の株式に絞って投資するといったファンドであれば、それはアクティブファンドになります。
運用方法に手間がかかる分、運用コストは比較的高めになります。
■インデックスファンドとアクティブファンドとの運用成績の比較
たいていのアクティブファンドは、特定の指数よりも高い収益を求めて投資のプロが独自の視点で投資先を選んで投資を行います。
しかし、結果的にアクティブファンドのほとんどは、特定の指数に連動した投資を行うインデックスファンドの運用パフォーマンスを下回っています。
これは日本だけでなく世界的に同様の現象が見受けられます。
実際に東京証券取引所が運営する東証マネ部!が作成したデータによると、日本株のアクティブファンドは60%以上、海外のアクティブファンドは90%前後のものがインデックスファンドに劣る運用成績という結果となっています。(2017年6月末時点)
https://money-bu-jpx.com/news/article005485/
■大半のアクティブファンドがインデックスファンドの運用成績を下回っている理由
まず第一に、市場で投資活動を行っている大半はアクティブファンドの運用担当者と同じいわゆるプロであり競争が激しいことがまず挙げられます。
プロがプロ同士で競争し勝つというのは投資のジャンル以外もそうですが、勝つのは困難ですよね。
しかも、毎年継続的ということであればさらに困難です。
次に、各種運用にかかる高いコストをカバーしつつ市場よりもよい運用パフォーマンスをあげるのは困難であることも挙げられます。
上記のような厳しい競争の中を行う中で高い手数料を毎年カバーする運用成績を収めるのが大変なのは想像に難くないでしょう。
なお、これらの理由については資産運用の古典的名著に「敗者のゲーム」という本にも記載されています。
この本は、チャールズ・エリスという各方面で様々な運用の指南を行ってきた人物の著書です。
この作品は、アメリカのみならず日本でも今なお投資に関心のある人々の間で読まれ続けています。
初版は1985年ですが、それから30年以上経過した今なおアクティブファンドのパフォーマンスが全体的に芳しくない状況が続いていることになります。
■アクティブファンドは全て不要か?
こういうデータをみると、アクティブファンドに投資することは一見無駄に思えてくるかもしれません。
確かに、投資に時間をかける時間がない方や投資初心者の方であれば、インデックスファンドだけで運用するのも十分ありな投資戦略です。
一方でアクティブファンドの中にも少数ながら継続的によい運用パフォーマンスを継続しているファンドも存在していないわけではありません。
ですので、アクティブファンドも投資の一部に組み込むという投資戦略もなくはないと思います。
今回は、インデックスファンド、アクティブファンドの特徴について書きましたが、それぞれのファンドの選び方については次回書いてみたいと思います。