「自分を変えたい」。こんな言葉をよく聞きます。
男性よりも特に女性からこんな言葉をよく聞きます。
しかし、自分というものは基本的に変わりません。
変わったと思えるものがあっても、それは「変わった」のではありません。
自分の内側にあるものが外側に出ただけです。
「自分を変える」というのは、おそらく「自分の内側に眠っているものを外に出す」ということ。
その結果、外部から見ている人には「変わった」ように見えるものなのではないか。
僕はそう考えています。
わかりにくので例をいくつか挙げますね。
■思いがけない昇進をした男性、整形をした女性
例えば、会社員で、ずっと日の当たらない閑職をしている男性がいたとします。
そういう方が、あるきっかけで思いがけない昇進をしたとき、どうなるでしょう。
こういったとき、人が変わったようになるというような話を、たまに聞きます。
具体的には、今まで謙虚だった人、優しかった人が、とても威圧的になったり、偉そうな態度を取り、部下にきつく当たるように豹変してしまったという形です。
この人は、本当に昇進で人間が変わってしまったのでしょうか。
そうではありません。もともと、そういう気質がその人の内側にあったからです。
すなわち、昇進して権力をもったことで、その人の内側にあるダークな側面が外側に出やすくなった、ということだと思います。
また、女性が整形をして性格が変わったという話もたまに聞きます。
このケースも厳密には、変わったのではありません。
その女性の内側にある魅力的な部分が、整形をすることで内側に出やすくなっただけです。
きれいになったことで、その女性は自信をもったのでしょう。
自信を持ったことで、「本来持っているものを外に出してもいいんだ」という許可を自分に出します。
その許可されたものが表に出るようになったということです。
つまり、整形が引き金となって、その人の魅力が出やすくなったということではないかと思います。
■一人の人間にもいろんな顔がある
人間には一人の人間にもいくつもの側面を持っています。
そのうち表によく出ている側面が、その人の性格ではないかと思います。
「自分を変える」というのは、「自分の内側に眠っているものを外に出す」ことだと、先ほど書きました。
これをもっと正確にいえば、「自分を変える」というのは、おそらく、「変える」のではく、「たくさんある自分の内面のどれを出すか、その取捨選択を変える」ということ、ではないかと思います。
「冷たいな」と思う人にも優しい部分はあります。
「きっちりしているな」と思う人にもいいかげんな部分はあります。
どれも、偽りではなく、その人のもっている部分です。
たくさんある部分のどれが出たかの違いです。
上記の意味で「自分を変える」ならば、自分の中にあるたくさんの自分を知ることが必要だと思います。
まずは、自分の内面にどんな自分がいるか、自分が好ましいと感じる面もそうでない面も含め、自分でしっかり把握することが第一歩です。
それができて始めてどの自分を外側に出すかを考えられるようになります。
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