お金の問題を考えるときに自分だけで考えるというのは大変です。
そのためにお金の分野には様々な専門家がいます。
そういった専門家の知識やアドバイスは自分では気がつかない情報や視点を提供してくれます。
ただ、そういった情報やアドバイスに頼り切るのは、とても危険だと僕は思っています。
お金に関する仕事をずっとしてきている僕がこう書くのもおかしな話かもしれません。
しかし、こう思うようになったのは、まさに金融機関に10年以上勤務して様々なお客さまと営業員とのやり取りや取引記録を見てきた経験からです。
■金融機関で見てきたお客さま
営業員がお客さまと話をすると話の全てを信じ込んでしまうお客さまも多くいらっしゃいます。
こういうスタンスは営業員を「信用」するというよりも営業員に「依存」していると捉えることができます。
こういったお客さまの運用成績は全体的にあまり芳しくありません。
反対に営業員の提供する情報やアドバイスを聞きながらも、それを自分なりに考えたり、解釈したりするお客さまもいらっしゃいます。
こういうスタンスは営業員に「依存」せずに営業員を「信用」していると捉えることができます。
こういったお客さまは前者のお客さまよりも運用成績は全体的によい傾向にあります。
この「信用」と「依存」とを意識的に区別することがとても大事です。
■他人の情報やアドバイスを自分なりに考えてみることが大事
このような違いはなぜ発生するのでしょうか?
もちろん、営業員の資質の問題もあるとは思います。
お客さまの利益よりも目先の収益を稼ぐことで頭がいっぱいになっている営業員であれば、とにかく売買につながる提案をお客さまに行う場合もあり得る話です。
しかし、しっかりした営業員の提案でもかえって損失が膨らむこともあります。
あくまで問題は、専門家の提供する情報やアドバイスを受け取るお客さま側のスタンスにあります。
そういった情報や提案を自分なりに考え、自分なりの基準で情報を取捨選択する。
他人の意見やアドバイスは聞くけれども絶対視しない。
こういった姿勢が大事です。
■相手を信用することとその人が提供する情報を受け取ることとは違う
そういう姿勢を継続していけば、次第に自分の投資スタンスが見えてきます。
投資スタンスがわかれば、より様々な情報を取捨選択できるようになります。
自分の頭で考えず、誰かの意見やアドバイスを鵜呑みにすれば、そうとはならず、自分の投資スタンスが確立しません。
最悪、投資で失敗したときに学習する機会がないため、再度同じ失敗をしていしまいます。
「相手を信用すること」と「その人が提供する情報を受け取ること」、この2つが違うことを明確に区別することが必要です。
人は信用するけど、その人が提供する情報やアドバイスは必ずしも信用しない。
こういう姿勢が投資行う上ではとても大事です。
僕も投資により資産形成をしたい方向けに有益となることを書いてはいますが、僕の書いていることが全て正しいとは思ってはいけません。
この情報を自分になりに解釈して、意識的に取捨選択をぜひしていって下さいね。