前回は、投資信託により資産形成をするためには投資により利益が出た場合の税金に着目するという発想も大事であること。
その上で活用できる制度の1つとしてNISA制度の概要について記載しました。
今回は、もう一つの非課税制度として確定拠出年金について記載します。
■確定拠出年金とは?
確定拠出年金には、いずれも老後資金を作る制度ですが、個人型(iDeCo)は自分で自分の老後に備える制度、企業型は会社の退職金制度です。
以下は自分で掛金の金額を決め、自分でお金を出すケースに該当する個人型(iDeCo)確定拠出年金について記載します。
個人型(iDeCo)確定拠出年金では、毎月一定の金額を積み立て、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品で自ら運用し、60歳以降に年金または一時金で受け取ります。
特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会のホームページに上記制度の概要や詳しい説明が掲載されています。
詳細をご覧になりたい方は以下を御参照下さい。(ここまでの記載も当ホームページを参照し記載)https://www.dcnenkin.jp/
■確定拠出年金の加入するメリット、デメリット
毎月の掛け金は全額所得控除の対象となりますので、確定申告・年末調整により税金の還付を受けることが可能です。
つまり、老後の受け取りの前のタイミングで、すでに税制優遇措置を受けることが可能です。
そのメリットを享受した上で、将来の年金資産を形成できることが確定拠出年金の加入するメリットの1つです。
また、運用する上でのコストも比較的、低コストの商品が多く、運用益も非課税になる点もメリットです。
さらに、年金または一時金の形で受け取る際にも税務上のメリットを享受することが可能です。
具体的には、年金で受け取る場合には他の公的年金と合算し、公的年金等控除が受けられ、一時金で受け取る場合でも退職金などと合算し、退職所得控除が受けられます。
デメリットの1つとしては、60歳までに年金を引き出すことが、原則としてできないことです。
将来に備え、できるだけ多く掛け金を拠出したくなりますが、それで目の前の生活が苦しくなったり、貯蓄を取り崩すことになっては本末転倒です。
ですので、毎月の掛け金は無理のない範囲内に留めるように注意が必要です。
さらには、受け取り時に税務上のメリットがあるとはいえ、その仕組みはやや複雑です。
受け取りを意識する年代に差し掛かったときに、どういう受け取り方をしたらいいかしっかり考えないといけない点も、デメリットかもしれません。
受け取り方の選択を間違えれば、長年積み立ててきた年金からの課税金額が膨らんでしまい、税務上のメリットを十分に享受できないということも考えられます。
■確定拠出年金の利用の仕方
NISAと違って一度積み立ててれば、原則として60歳までその資金を途中で引き出すことができない点において、確定拠出年金は特に長期目線で資産形成を行う制度です。
税務上のメリットがあり、老後資産の形成に資する制度ではありますが、利用する前に、制度について理解を深めてから慎重に始めた方がよいでしょう。
また、長期目線で資産形成を行っていくので、一度始めても定期的な見直しが必要になります。
毎月の掛け金は多めに出せる時期もあれば、出せない時期もあるでしょうし、老後生活の見通しもライフステージによって変わってくるはずです。
この点も注意して利用していくべき制度だと思います。
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