公的年金以外の私的年金として確定拠出年金に加入されている方も多いかと思います。
どんな制度であるかについては過去のブログで書かせていただきましたが、今回のその保有商品で気になる点があるので、書いてみたいと思います。
確定拠出年金に加入されているみなさんは、拠出した掛金どんな商品で運用していますか?
■確定拠出年金で保有する商品の傾向
一般社団法人投資信託協会では毎年「投資信託に関するアンケート調査」を実施しています。その中で確定拠出年金での各年代の保有金融商品の比率が掲載されています。
その調査によると、企業型、個人型両方の確定拠出年金での保有金融商品の半分以上が、いずれの年代でも預金と保険となっています。
以下のリンク先のP18、P22参照http://www.toushin.or.jp/statistics/report/research20182/
預金の金利や保険の利率は、商品によって多少の差があるものの、1万円あったら1円つくかつかないか程度の金額にしかなりません。
確定拠出年金への拠出金は原則として60歳になるまで資金を引き出すことはできません。
そのような長期間使えないお金を、ほとんど金利や利率のつかない商品で運用するメリットはほとんどないといっていいでしょう。
確定拠出年金を利用する場合は、60歳以降に資金を引き出す際に税金がかかります。預金や保険商品のみで資産運用を行っていく場合、むしろ、資産を減らしてしまう可能性さえあります。
■なぜ預金や保険商品を保有するのか?
こういう傾向生じる理由は複数あると考えられるものの、上記アンケートの各回答状況を確認すると、資産運用への抵抗感が挙げられるのではないかと思います。
しかし、その抵抗感がある状態で確定拠出年金を利用することで、保有するメリットに乏しい、むしろ資産を減らしてしまいかねない運用が行われている実態が見受けられるのは何とも皮肉です。
資産運用への抵抗感がある状態なら「あえて手を出さない」のがベストだと思います。
ただ、抵抗感がある心理としては自分の知らないものに対する恐怖心があります。
ですので、まずは資産運用について知ること、その上であえて資産運用を行わない、行うけれども確定拠出年金は利用しないという選択をするのならば、それはそれで一つの選択肢だと思います。
■資産運用の鉄則
貯蓄から投資という言葉はよく聞きますし、僕自身、投資はたくさんの人々の生活を豊かにしてくれるものだと考えています。
ただ、投資を行うのはある程度、まずは勉強してみることが第一です。
それを行わずに中途半端に手を出すことはかえって資産を減らしてしまうことになります。
これは、確定拠出年金制度の利用に仕方だけではなく、投資信託のよる資産運用全般でもそうですし、株式投資など他の金融商品での資産運用でも同じです。
確定拠出年金の場合は特に企業型の場合、本人の意思とは関係なく制度に加入しているところがややこしいところです。
会社として加入していても、自分自身内容がよくわからないと思ったら、周囲に流されずにあえて手を出さないことも大事です。
どんなケースでも、資産運用を行う前には自分なりにまずは勉強する。言葉にすれば当たり前にはなりますが、確定拠出年金の商品選びの傾向からその教訓が学べるように感じます。