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投資信託に関して誤解されがちな事項

投資信託に関して誤解されがちな事項

最近、投資信託についてお話をしていたときに気になった点があったので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

■投資信託がたくさん売られると基準価額が下がる?

「投資信託がたくさん売られると基準価額が下がる」という話を、時々耳にする機会があります。

株式であれば、たくさんの投資が売ると価格は下がります。しかし、投資信託の場合はそうはなりません。

その説明をするために、投資信託の基準価額を決定する仕組みについて記載します。

投資信託の基準価額は、「純資産総額÷総口数」で決まります。

純資産総額とは、ファンドが運用している株式や債券などの時価評価額の総額に、その他の収入(利息や配当金など)を加え、そこから運用費用などを差し引いた金額のことを指します。

そして、総口数とは、ファンドを保有している方が保有している口数をすべて合わせた口数のことです。

例えば、Aさん・Bさん・Cさんが、それぞれ20万口・30万口・50万口購入した総口数100万口の投資信託があったとします。投資のプロである運用会社に支払う運用費用を差し引いた純資産総額が120万円だった場合、この投資信託の基準価額は以下の通りとなります。

純資産総額120万円÷総口数100万口=1.2円 1万口当たり基準価額12,000円

もし、ここでCさんが保有している50万口全てを解約した場合は、純資産総額が60万円に対して、総口数は50万口です。この場合の投資信託の基準価額は以下の通りです。

基準価額総額60万円÷50万口=1万口当たり基準価額12,000円

このように、投資信託が売られること自体で、基準価額は下がりません。反対に純資産総額がマイナスになれば、基準価額はマイナスになります。

ですので、投資信託の運用成績がマイナスになったとき、分配金の支払いがあったとき等には基準価額が下がります。

たくさん売られているときに、基準価額が下がるように見えるのは、おそらく、運用そのものが軟調で基準価額総額も下がっている時期に売られがちなことも一因なのではないかと思います。

■証券会社等が破断したら投資信託もなくなってしまう?

不景気になると、金融機関はそのあおりを真っ先に受けます。そのせいか、不景気になってくると、証券会社や銀行がつぶれたら保有している投資信託もだめになってしまうのではないか、と心配される方がいらっしゃいます。

しかし、金融商品を購入した証券会社等が万が一破綻したとしても、それが原因で、その金融機関で保有している金融商品がなくなることはありません。

証券会社等には、法令により、顧客の資産を自己の資産と分別して管理することが求められています。ですので、万が一破綻したとしても、お客さまの財産には影響が及びません。

証券会社等が分別管理を適正に行っていない場合には、法律で厳しい罰則等が定められています。ですので、金融庁等の監査や担当している監査法人により定期的に状況はチェックされております。

■まとめ

実際にいろんな方にお会いしてお話を聞くと、このように、根本的な商品性や証券制度について誤解されていると思われる個所も散見されます。

そういういった事項についても、気になることがあり次第、こちらで情報発信していきますので、ご関心のある項目があれば、見てみて下さいね。

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