現在、様々な企業が副業を解禁しています。
政府としても副業を推進しており、平成30年1月には厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成しています。(※1)
この副業が、キャリアや資産形成にどのような影響を与えるかについて、今回は書いてみたいと思います。
■副業のキャリアに対する効果
副業の最も大きな効果は「スキルアップ」と「本業の充実」だと考えます。
副業というと、「ただ収入を増やす目的で行うもの」、「本業に悪影響を与えるもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、政府としては副業解禁のメリットとして重点的に挙げているのは、まさに「スキルアップ」の側面です。
具体的には、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」にて以下のようなメリットがあると明記されています。
① 離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、 労働者が主体的にキャリアを形成することができる。
② 本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる。
③ 所得が増加する。
④ 本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる。
そして、実際に副業を行っている人が副業を行った動機とその効果を検証した民間団体の調査によると、副業をしている人は、収入面の理由だけでなく、スキルアップを目的に行っていることが確認できます。さらに、実際に副業を行った結果、スキルアップにつながっていると同時に、副業を行っている人の方が本業の満足度も高いというデータも確認することができます(※2)
この調査は、従業員数1,000名以上の企業に勤める25~30歳の会社員を対象に実施したもの、いわゆる大手企業の若手社員のみを対象にしており、調査の仕方によっては、また違った結果になる可能性もあります。
ただ、それでも、副業は「ただの収入をアップ」させることが目的であり、「本業に悪影響を及ぼす」という意見に対し疑問を提示するものとして一定の合理性がある言えるでしょう。
■副業の資産作りに対する効果
副業でスキルアップして本業の満足度が高くなれば、本業で評価され間接的にも収入がアップする可能性がありますし、精神的にも楽に働くことができます。
資産作りという観点では、物理的には、投資に回せる金額がを増やすことができます。
また、精神的には、本業の精神的ストレスを緩和できる可能性があります。そこから、ストレス解消のためにお金を使うことも少なくなり、出費も減らしていくことも可能でしょう。
もちろん、これは副業で何を行うかにもよります。おこづかいを増やすという金銭目的だけでなく、自分のやりたいこと、意義の感じることをやりたいという趣旨も加味し、取り組むことが前提となります。
現在の収入で、十分に投資に回すお金がないという方は、まず今現在の支出を減らす努力も必要です。ただ、節制ばかりやっていては精神的にきつくなるので、長期的には他の方法も検討する必要があります。
その手段として、副業は長い目でみれば、とても有力な手段になると考えます。
■まとめ
副業は、人を物心共に豊かにしていく可能性のあるもので、本業との相乗効果も期待できます。さらに、その効果はキャリアの面だけでなく資産づくりという面にも波及効果があります。
人生100年時代という言葉もあるくらいで、これからはますます働く期間が長くなっていくことが想定されます。
そんな長い現役時代をどのように仕事をしていくかを考えることで、資産づくりにも影響がありますので、働き方と資産づくりはセットで考えることが必要だと考えています。
働き方と資産作りの関係性については引き続き注目し、これからも情報発信していこうと思います。
※1 出所)厚生労働省 副業・兼業の促進に関するガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000192844.pdf
※2 出所)マイナビニュース 副業をやってみて感じた変化、1位は?
https://news.mynavi.jp/article/20190718-861547/
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