コロナウィルスの蔓延に伴い外出する機会が減り在宅する時間が増えている方も少なくないと思います。その中で銀行に行かずにインターネットバンキングを利用する機会が増えているのではないでしょうか?
一方では近年ではインターネットバンキングに関連した不正送金などの犯罪件数も増えており、今後も増加することも予想されます。
そこで、今回はインターネットバンキングを利用する際にトラブルに巻き込まれないための注意点について解説いたします。
■最近の不正送金の被害状況について
まず、そもそもインターネットバンキングに関するトラブルはどれくらい発生しているのでしょうか。
この点については警視庁がデータを公表しています。以前からインターネットバンキングを利用した不正送金事例などが問題になることがありましたが、当該データを見ると、昨年の後半から件数も被害金額も特に急増しています。
出典:警視庁ホームページ フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害の急増について(全銀協等と連携した注意喚起)
不正送金の被害にあった場合、取引先の銀行に連絡すると同時に警察にも連絡することが必要です。
どの銀行でも保障制度はありますが、利用者に過失があった場合には認められないケースもあり、必ずしも保障されるとは限りません。
以下、時系列に各注意点について記載します。
日常生活上での注意点
インターネットバンキングを利用する以前の日常生活においても注意点があります。その観点で特に注意が必要なのは、心当たりのないPCメールやスマホのSMS等を開かないことです。
その手のメール等は、金融機関のID・パスワード等を詐取するためのものである可能性があります。
金融機関がID・パスワード等について問い合わせることはありません。ですので、それを尋ねてくるものであれば明らかにおかしいですし、偽の銀行等のサイトに誘導しID・パスワード等入力させる形で実質的に同じものもあります。
もしそのようなメールが来た場合は、直接金融機関に問い合わせましょう。
インターネットバンキングの事前設定に関する注意点
インターネットバンキングを利用する前提の設定に関しても注意点があります。事前準備で有効な防止策として代表的な4つの点を以下説明いたします。
●PC等の設定
OSの各機能バージョンアップは最新に更新し、ウィルスソフトも必ず最新版にするようにしましょう。ウィルスソフトをお持ちでない方は、ネット銀行によっては無償で頒布しているところもありますので、そういったツールを利用するとよいです。
●パスワードの設定
ログイン時のパスワードは推測されにくいものにすると同時に、家族とは別々にすることも大切です。ご自身が気をつけていても家族を経由してパスワードが漏れるリスクもあります。
また、入力時にはサイトにダイレクトに入力をせず、ソフトウェアキーボードを利用するようにするとよいです。こうすると、パスワードがパソコンに残ることもなくなりますので、さらに漏えいのリスクが減少します。
さらに、ワンタイムパスワードを発行して、ログインする度ごとに違うパスワードを使用するのも有効です。
●振込金額の設定
振込金額はできれば小額におさえましょう。
万が一他人のパスワードが漏れて利用された場合に金額が少額であれば、その被害をより小さくおさえることが可能です。
●万が一の連絡先をメモする
気になることがあったり被害に遭ったことが判明したときにすぐに相談できるように、銀行のホームページから問い合わせ先を確認し手元にメモしておきましょう。
いくら気をつけていても実際にネットバンキング利用に際して何があるかわかりません。最悪のケースも想定して準備しておくことも必要です。
インターネットバンキングを利用時の注意点
あらかじめID・パスワード等が外部に漏れないように気をつけていても、実際にインターネットバンキングを利用しているときに不注意があるとせっかくの対策も無駄になりかねません。利用時に特に注意が必要な点は以下の4点です。
●インターネット接続回線
回線は無料Wi-Fiスポットの利用をしないようにしましょう。
この回線は不特定多数の人が使用することを前提としているため、他の人から情報が洩れるリスクがあります。銀行サービスに限らずに個人情報に関連する作業全般を無料Wi-Fiで利用することはおすすめできません。
●ログイン時
ログインするときは事前に正しいウェブサイトのURLをブックマーク登録し、ブックマークからインターネットバンキングにアクセスするようにしましょう。
今は銀行の本物のサイトと見間違うような偽サイトを作って、そこにパスワード等の個人情報を入力させる手口も増加しています。
表示されたウェブサイトのURLを逐一確認するのもよいですが、正しいウェブサイトのURLからアクセスすれば、そういった手間を省くことができます。
●ログイン直後
銀行によっては前回のログイン時間を確認できるようになっています。その場合は必ずチェックするようにしましょう。
万が一、他人のログイン事例や不正送金等の被害に遭った場合に、その被害に早く気がついて対応することも可能となります。
参考:イオン銀行ホームページ
●利用終了時
必ず使用終了時にはログアウトするようにしましょう。
自動ログアウト機能のある銀行のサイトも少なくないですが、そうでない場合にそのパソコンを第三者に利用されるおそれが全くないとは言えません。
まずは利用している銀行のホームページを確認してみる
以上、各種注意点についてまとめてみましたが、どの銀行でもネットバンキング利用時の注意事項についてまとめて情報提供してくれています。
また、その人に合った対策をおすすめしてくれるセキュリティ診断ができる銀行も一部あります。
当記事に加えてこういうページも合わせて確認し、被害に遭わない対策をぜひしてみてください。
]]>