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家計管理が苦手ならストレスマネジメントから始めてみよう

家計管理が苦手ならストレスマネジメントから始めてみよう

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。ここ数ヶ月で家計管理に関する相談が増えています。新型コロナウィルス感染症による様々な影響により春先以降は資産運用に関するニーズが増えていましたが、家計管理については最近の現象です。

こういう現象から、将来不安から今ある中でどう生活をやり繰りするか、将来に備えてどれくらい貯蓄していけばよいか、気になっている方が増えているのではないかと感じています。

現に家計管理は、お金の様々な問題を考える上で入口になるとても大切な事項です。ここを見直すことは、コロナ禍そしてアフターコロナのライフプランを考える上で、非常に有益でしょう。

そこで、今回は家計管理というテーマで書いてみたいと思います。

家計管理に関心のある方は、何らかの形でお金を増やしたいと思っている方が多いと思います。

資産運用の前に家計管理

お金を増やすには貯金で増やす方法もあれば、資産運用で増やす方法もあります。どちらも大切なことですが、貯金でお金を増やす場合でも資産運用でお金を増やす場合でも、それら以外のお金も含め、お金の管理がある程度できていることが必要になります。

その意味で、家計管理はお金を増やすために前提となる事項であり、資産運用のスタンス抜きにして誰もが考える必要のある事項になります。

一般的な家計管理法の限界

一般的に家計管理に関しては、節約という視点で語られることが多いです。

今の時代、過去のように右肩上がりで経済が成長する時代ではありませんので、収入を上げるには時間がかかります。そこで、着目するのが支出の方です。もちろん、これもとても大切な視点です。収入を上げずにお金を増やそうと思えば、後は支出を下げるしかありません。

一方でお金を使うときに、生きていく上で欠くことのできないことにお金投じる場合に加え、生きる活力を生み出すためにお金を使うこともあります。

節約するためにこの両面を犠牲にしてしまっては、かえって生活に苦しむことになりかねません。

節約が大事だと思いつつできない方の中には、感覚的にこういうことを感じていてできていない方も多いのではないでしょうか。

いろんな方のお話を伺っていて感じるのは、家計管理はただ数字だけを見てどこかの経費を削減するというアプローチでは限界があるということです。

その意味で、一般的な節約方法とは違った観点から家計管理にアプローチする方法について、考えてみたいと思います。

家計管理の前にストレスマネジメント

家計管理を考える前にも全提事項があると私は考えています。それは、ストレスマネジメントです。

先ほど、お金を使うときに生きる活力を生み出すためにお金を使うこともあると書きました。この生きる活力を生み出すためにお金を使うとは、今の生活でかかるストレス解消のためにお金を使うと言い換えることもできると思います。

ストレスがかかること自体悪いことではなく、それで疲労すること自体悪いことではありません。その一方で今の生活に過度なストレスがかかっていて、それを解消するためにたくさんお金を使っていては非効率だと考えることもできます。

例えば、下水道にドブがたまって掃除する場合に、掃除には手間がかかりますし、自分できない場合、業者に頼むことになります。業者に頼めば、もちろんそれなりのお金がかかってしまいます。このときにそもそもドブがたまらないようにすれば、そういった手間やお金をかける必要はなくなります。

過度なストレスを解消するためにお金を使うのは、これと似ているのではないでしょうか。その意味で、家計管理をする前にストレスを管理することが大事になります。

家計管理につながるストレスマネジメントの実施方法

では、ストレスはどう管理したらいいのでしょうか。これにはたくさんの方法があり、その中からご自身で合うものを選ぶのが正解です。ただし、ストレスを管理するときにどの方も最低限考えた方がよいと思われる点もありますので、その点について書いてみます。

ストレスマネジメントの最初のステップ

基本的には、家計管理と同じです。まずは今のストレスの現状を把握します。今どれだけストレスがたまっているか、どういうときにストレスを感じるか、逆にどういうときにストレスを感じないか、などといったことをまずは自分自身で把握します。

これは考えてすぐに出てくる項目もあれば、時間をかけて考え続けることで見えてくる項目もあります。その意味で、すぐにすべての事項を出そうとはせず、こういった問いを頭の片隅に入れながらしばらく過ごしてみるとよいと思います。

ストレスマネジメントの第二ステップ

そして、その次にそのストレスを解消するために普段自分がどんなことをしているかを考えてみます。このときに大事なのは、そのストレス解消方法が一時的なものなのか、ストレスの根元を解消するものなのか、といった視点も大切になります。

例えば、職場の部下とのコミュニケーションがうまくいっておらずストレスだと感じている方であれば、1人でお酒を飲んで気晴らしするという方法もあるでしょうし、自分からより積極的に部下とコミュニケーションを取ってみるという方法もあります。前者は一時的なストレス解消で、後者が根元から解消するものです。

こう書くと前者は非経済的でダメで後者がよいと思われるかもしれません。もちろん、それにこしたことはないですが、前者が全くダメというわけではありません。息抜きとして全社も必要なときもありますし、それ自体を否定すれば、さらにストレスになるでしょう。

問題はそれが過大であった場合です。先ほどの例でいえば、お酒を軽く一杯飲むくらいなら何ら問題はないでしょうが、飲み過ぎて毎月のお酒代が莫大な金額になったり、翌朝の体調に響いたりすれば、過大な場合に当たるといえるでしょう。

ストレスマネジメントの第三ステップ

ストレスマネジメントの方法に問題があれば、それを改善します。ストレスを一時的に解消する方法および根元から対処する方法の2つの観点から見直します。

先ほどの例でいえば、何らか部下とのコミュニケーションをよくする方法を考えて実施することも大事になりますし、お酒も飲み過ぎないように気をつけるための方法考えることになります。

この例でいえば、いろんな解決策があると思いますが、ポイントはストレスを軽減する様々な手段をもっておくことではないかと考えています。部下と直接コミュニケーションが取りづらければ、間に誰かに入ってもらうことも1つの方法かもしれませんし、お酒以外でストレスを一時的に解消できる方法があれば、経済的にも体調管理としてもよりよいものがあるでしょう。

このように、普段からストレス解消方法を一時的にせよ根本的にせよたくさんの方法を用意しておくことは、言葉にすればシンプルですが、思いのほか大事になってくるといえるではないかと考えます。

まとめ

家計管理方法は節約という観点から考えることが多いですが、お金をストレス解消のために過度に使っている部分はないかを検証すると、無理な節約に走らずに済みます。

実際に家計管理が上手な方はお金以前に自分自身を管理することも上手な方が多いです。家計管理の上達は自己管理の上達をも意味するといって過言ではないでしょう。

今回記載ストレスマネジメントから家計管理を考えるという内容は、FP業務とは本来異なるような内容だったかもしれません。しかし、家計管理で無理をして支出を削減してもうまくはいくとは限りません。実際にこういうことをやろうとして、うまくできないという方も非常に多くいらっしゃいます。

そういう方にとって、家計管理の目線を変えて実行に移す、きっかけになれば幸いです。こういった観点からの家計管理のご相談もお受けしておりますので、ご関心のある方は下記よりお気軽にご連絡ください。(オンライン相談も可能ですので、地方にいらっしゃる方のご相談ももちろんお受けいたします)

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