東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。
家計を圧迫しがちな支出の大きなものの1つが住居費です。今回は家計管理と住居費というテーマで書いてみたいと思います。
住居費は一度住んでから見直すのが比較的難しい
住居費は住み始めてから削減することが他の支出に比べて難しい性質があります。ですので、住み始める前に家計を圧迫しないように注意する視点がとても大事になります。
住居をどう選ぶかがとても大事になりますが、その際は、お金の側面に加えてお金以外の視点も大切です。住居費を節約するために、住環境が悪い物件を選べば、ストレスがたまって何のための家計管理か、本末転倒になりかねません。
ですので、住居を選ぶ際にお金以外に何を重視したいか、その優先順位をどうするかという視点も大事にしてみてください。
物件を選ぶときに大事な視点は?
例えば、小さいお子さんがいる場合、学校が近いことなどを重視して物件を選ぶ方も多いでしょう。ただ、実際にローンを完済したときにはお子さんは成人していることになるので、また違った住環境を要するライフスタイルになっている可能性があります。購入時期によっては、学校から近いことよりも都心から近いとか、他の要素を大事にした方がいいなど、他の要素の優先順位を高めた方がよいケースもあり得ます。
物件を選ぶ際に賃貸の場合は、仮に失敗してもまた物件を探して引っ越しすることも比較的しやすいですが、購入した場合に住み替えを行うとなるとそう簡単にはできません。
そこで、購入の場合は事前の家計のシミュレーションが特に大事になります。
物件を購入する際のポイント
物件を購入時のポイントは、現実的な住宅ローン返済金額の資金計画です。その点について以下各ポイントについて記載します。
住宅ローンの毎月返済額の目安
住宅を購入するときのローンの返済額は、毎月の賃料と同じくらいまでならOKという話もよく耳にします。しかし、物件購入後にかかるお金もあります。引っ越し費用、各種税金、手数料、火災保険等項目は多岐にわたりますが、一般的にその経費は購入金額の10%程度用意しておくことが必要です。
ここから毎月必要な諸経費を見積もって、「家賃‐毎月の諸経費=毎月の返済額」と考えるとよいでしょう。
もちろん、これはおおまかな算出方法であり、個々のライフスタイルや家計の状況によって例外もあります。1つの目安としての金額として考えてください。
なお、住宅ローンを組む際に金利を金融機関から金利を提示されますが、この金利だけでは返済金額のイメージがわきにくいです。ですので、金利よりも返済額で考えるのがよいでしょう。
購入時の頭金はあった方がよい?
住宅ローンを組むときは、頭金があった方が金利が優遇されるケースがあります。また早めに返済すること、ローン返済金額軽減のためにも、頭金を用意して購入した方がベターです。
ただ頭金を多めに入れるあまり、日々の生活資金がショートする事態は避けなくてはなりません。
一般に日々の生活に何かあったときに備える緊急資金としては、ここも専門家によって見解が分かれますが、手取り金額の6ヵ月は用意しておきたいところです。
ですので、手元にある資金を頭金に入れるあまり、手取り金額の6ヵ月が手元にないという事態は避けた方が無難です。
ボーナスに頼り過ぎない
ローン返済は毎月同じ金額にせず、ボーナスが出た時期に返済額を増やすなどの対応も可能です。そう考えると、ボーナスの時期に多めに返済する分、毎月額を少なめに見積もって考えることもできます。
ただ、ボーナスがいくらもらえるかはそのときの業績によりますし、金利負担を考えれば、逆にボーナス返済を取り入れた返済の方がかえって金額がかさむケースもあります。ですので、ボーナスに頼ったローン返済はおすすめできません。
そもそも購入が必要かも検討する
ここまでは購入する場合の家計管理の注意点について書いてきました。ただ、そもそも本当に物件の購入が必要かの検討も必要だと個人的には考えています。
住宅ローンを組む場合は、数千万などの借金を一度にかかえることになります。今後のお仕事や生活状況によっては、返済に支障をきたす可能性もあります。
世帯主が亡くなれた場合は、団体信用生命保険に加入していれば、ローン返済はなしとなります。ただ、ケガや病気、そして今のコロナ禍のように仕事の環境が大きく変わる場合等では、十分な保障が得られるかというと難しいケースもあり得ます。
最初から購入と考えるのではなく、ライフスタイルや生活状況の変化に応じて賃貸物件で済ませるという選択肢も合わせて検討した上で、購入する理由や将来のライフスタイルについて考える視点もぜひ大事にしていただきたいと思っています。
40代以降の住宅購入
最近は40代以降の住宅ローンを組むことも増えています。ただその場合、ローン完済は老後になってしまいます。
その場合、繰り上げ返済もできるように早めの返済ができるよう、より緻密に資金計画を立てる必要があります。それが難しい場合は、物件購入を再検討するのも1つの方法です。
実際に物件を購入する場合は、老後生活の住居になるため、お子さんとの生活というよりも終の棲家という視点で選ぶ点も注意が必要です。
まとめ
住居費の見直しは住宅が金額の大きいものである分、効果も大きいです。またできるだけ購入前に様々なシミュレーションをしておくことも重要です。
こういった住宅購入に関連した資金計画表にもなるキャッシュフロー表の作成等も行っておりますので、ご関心のある方は下記のお問い合わせよりお気軽にご連絡ください。