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年金、光熱費、働き方など2021年4月から変わること

年金、光熱費、働き方など2021年4月から変わること

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。4月になり新しい年がまた始まりました。1月で年自体は変わっても、実際に様々な物事が変わるのが毎年4月からです。この4月からお金に関係する項目でも様々なルール改正があります。今回はそれらの点についてご紹介いたします。

年金額の引き下げ

令和3年4月分(6月15日支払分)からの年金額が引き下げになります。詳細な金額は以下の通りです。

年金の受給額は物価や賃金の変動に合わせて変動しますが、2021年4月から賃金の変動が物価の変動を下回る場合は、賃金の変動に連動して年金も変動する形にルールが見直しされました。その新ルールがさっそく適用され、今回年金が減額になりました。言葉ではわかりにくので、こちらも図解を以下掲載いたします。

今までも年金額の上昇を抑える仕組みはありましたが、今回の改訂によりさらに減額がされやすくなったといえます。

国内の年金制度は少子高齢化で今度は大丈夫かと言われる機会が増えましたが、このように見えにくい形で年金額は減少しやすい方向でルールが少しずつ見直しされていっています。

今後、年金はもらえなくなる?

こう書くと、年金制度そのものがなくなってしまうのではないかと心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、この点に関してはなくなることはほぼありえません。なぜなら、公的年金は、現役世代が支払っている年金から支払われているからです。

少子高齢化であるからといって日本の現役世代が0になることは考えにくいですよね。ただ、現役世代は今後も減少していくことは既定路線です。

この路線が継続するなら年金受給額は今後も低下していくことは予想されますし、実際に今回マイナス改定となりました。

光熱費の上昇

また2021年4月から光熱費が上昇します。この理由は液化天然ガス(LNG)などが高騰したこと、再生可能エネルギーの買取費用を電気料金に上乗せしたことなどが原因です。

こう書いただけでもよくわからない方もいらっしゃるかもしれません。そう考え、光熱費の仕組みについて図解した資料を以下添付いたします。これは、光熱費のうち電気代の料金設定の仕組みです。

左上をみると「燃料費」と記載がありますが、まさにここが燃料費高騰により上がったコスト分になります。

そして、右下に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とありますが、まさにこれが再生可能エネルギーの買取費用の増加により上がったコスト分になります。再生可能エネルギーで発電した電気は、電力会社が一定価格で買い取ることを仕組みになっていますが、この電力会社が買い取る費用を私たちが負担しているということです。

さらにいえば、右側に「賠償負担金」、「廃炉円滑化負担金」とありますが、これは東日本大震災の原発問題に関連したコストです。これも私たちが一部費用していることもわかります。

電気料金がこのような仕組みになっていること、知らないうちに負担している費用があることを知って驚いた方もいらっしゃるかもしれません。ここも見えにくい形になっていて、なかなか気づきにくい点だと思います。

働き方に関するルール変更

暗い話が続きましたが、最後の働き方に関するニュースに関してはむしろ、働き手にとっては嬉しいルール変更です。その2つを以下ご紹介いたします。

同一労働同一賃金の導入

中小企業においても、2021年4月1日より同一労働同一賃金の導入が求められることになります。

同じ労働をして同じ待遇にするのは当たり前のことにように思えますが、実際にはそうとはならず待遇に格差がある状況が長年続いてきました。ただ、中小企業でも同一労働同一賃金の導入が求められることで、より多くの人に平等な労働環境が整備されていくことになります。例えば、派遣社員や契約社員に社食を利用させない、通勤手当を交付しないというのは、今後違法になる可能性があります。

実際にはコロナウィルス感染症による業績変動により、中小企業の対応は必ずしも十分ではないようです。ただ、現実面でみても今は人口減少時代で人材獲得競争は激しさを増している時代です。法令上の義務になることで、不合理な差別は少しずつでも次第に是正はされていくでしょう。

定年70歳までが企業の努力義務に(改正高年齢者雇用安定法の施行)

2021年4月より、改正された高年齢者雇用安定法が施行されます。

これにより、65歳から70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務となります。今度は各企業で、定年を70歳に引き上げる、定年制度を廃止する等の対応が行われることが予想されますし、すでにそうなっている方もいらっしゃると思います。

もちろん、努力義務なのでなかったからといってただちに違法とはなりませんが、ここも人手不足問題から何かしら企業としては対応に迫られることになると考えられます。

ライフプラン上も70歳まで働くことを前提として見直しも検討してみるとよいでしょう。

まとめ

新年度は慌ただしい時期でなかなかこういった情報は頭に入ってこないかもしれません。ただ上記にも書かせていただきました通り、特に不都合なルールはあまり知られない形でいつのまにか変わってしまうことが少なくありません。

私も気になる事項は積極的に発信していけたらと思いますが、気になる点があればちょっとインターネット検索するだけで様々な情報が手に入りますので、ぜひ意識的に調べてみてくださいね。

なお、新年度の各種ルール改正に伴いライフプランの見直しをされたい方は、以下のボタンよりお気軽にご連絡くださいね。遠方の方もオンライン相談でご対応させていただきます。

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