Blog

コロナ禍の1年で人々のお金の使い方はどう変わったか?

コロナ禍の1年で人々のお金の使い方はどう変わったか?

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。

コロナウィルス感染症により社会情勢が大きく変わって、そろそろ1年くらいになります。その節目でこの1年でお金の使い方が変わったという話を耳にするようになりました。

そこで、コロナ過でお金の使い方がどう変わったかを調べてみました。それと合わせて、お金の使い方をより有意義に見直す方法についても書いてみたいと思います。

コロナでお金を使う量が減った

コロナになってお金を使わなくなったという話は、至るところでこの1年聞く機会がありました。

コロナ禍で仕事の仕方がテレワークになる方が増え、休日に外出して買い物に行くことも難しくなっています。外出する機会が減ることで、お金を使う機会そのものが減ったことが、大きな要因だと考えられます。

総務省家計調査(家計収支編)(二人以上の世帯)の消費支出金額の推移をみると、2020年度は前年比-5.3%減少となっています。ここ20年でマイナス幅が3%を超えた年は今までありません。データからも、コロナ禍で大きく消費額が減少したことがわかります。

コロナで伸びているお金の使い方

一方で伸びている箇所もまたあります。

コロナ禍で外出しづらくなると、自宅で過ごす時間が長くなります。通勤時間がなくなるなど時間ができたこともあるせいか、資産運用を始める方が増えています。現に比較的どの証券会社でも新規口座開設数が伸びており、中でもネット証券の伸びが大きい状況にあります。

ご参考:NHKホームページ 証券口座数が増加 コロナでネット通じ売買の個人投資家増加か

コロナ禍で株価が上昇している要因の1つとしても、消費が減った分が投資に回っていることが要因の1つだと考えられます。

また、クラウドファンディング市場もこの1年で大きく拡大しています。クラウドファンディングの中でも、返礼商品のある購入型の市場は2019年上期77億で2020年上期223億と、なんと3倍になっています。

ご参考:一般社団法人日本クラウドファンディング協会ホームページ 購入型クラウドファンディング市場規模に関する上半期比較結果の公表

クラウドファンディングの中で購入型の場合は、返礼品があるため、通販サイトのような側面もなくはないものの、出品される品にはいずれもストーリーがあり出品者の思い入れのある商品です。そのストーリーから「応援したい」と感じて購入するいう側面があることもまた事実です。

お金の使い方を見直している人も増えているのではないか?

以上を見てみると、コロナ過で外出してお金を使う機会が減ったとしても、オンラインでお金を使う機会そのものは減ってはいないことがわかります。

オンラインでお金を使う場合は、外出しているときに比べ、自分のペースで考えて使う機会が多いように思います。その分、お金を使うときに、より有意義に使おうという心理が働き、その人の嗜好性や価値観が反映された使い方になりやすいと感じています。

その今、自分がどんなことにお金使っているかを見直すことには、意義があるのではないでしょうか。

家計管理のために浪費していないかチェックするというだけでなく、自分がどんなことにお金を使う傾向があるか傾向を把握し、どのようにお金を使ったら自分は幸せかを考え実践するタイミングとして、絶好の機会ではないかと考えています。

家計管理だけではないお金の使い方の見直し方法

そのお金の使い方の見直し方法としておすすめなのは、お金ノートをつけることです。お金ノートとは、ただの家計簿ではなく、そのお金が自分の嗜好や価値観に沿っているかを見直すためのものです。

例えば、ネットで服を買ったときに後から振り返ってみて、「人気がありそうで何となく気になったから買った」、ということであれば、自分の嗜好から買ったわけではないので、「今後は見直す余地があるかも」などとお金の使い方を顧みるという要領です。

もちろん、日用品を買うときなど、嗜好や価値観うんぬんではない買い物もあると思いますので、全てをそういう切り口で考える必要はありません。

ただ、一通りの買い物についてノートにつけてみることで、自分のお金の使い方の傾向が見えてきます。そして改善する必要がある際は、自分の嗜好性や価値観に合ったお金の使い方が1つの基準になるでしょう。

まとめ

コロナ過で収入が減少した方は少なくないと思います。その中で量が限られているお金をどう使っていくかの重要度は、今まで以上に上がっているといえます。

そのときに重要なことは、お金の量を増やすだけでなくお金の質を上げることです。

資本主義社会も制度疲労を起こしており、毎年経済を拡大させていくことで人々が幸せに感じる社会かというと、必ずしもそうとはいえなくなってきています。経済自体も量よりも質を大事にする時代になってきています。

FPとして仕事をしていると、「収入を増やす」、「支出を減らす」、ややもするとそういうことばかり考えてしまいがちですが、その中身にも気遣い、相談される方が使っているお金の質にも着目しながら仕事をしていきたいと思います。

ご自身がどのようにお金を使っているか振り返りたいというご相談も、もちろんお受けします。ご自身の嗜好性や価値観に合ったお金の使い方をしているかどうかは、お金以外の面も含め有意義ですので、下記のお問い合わせボタンよりお気軽にご連絡くださいね。

to top