東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。
FPという仕事がどんな仕事なのかイメージできない、またある程度イメージのつく方でも保険を売る人と言われることが多々あります。実際にはひとえにFPといってもいろんなタイプのFPがおり、業務の範囲や得意分野が異なります。
私自身、そもそもFPという職業が何をするのか周知が不十分ではないかと以前より感じていましたので、今回はFPがどんな仕事をしているのか、それぞれのタイプ別に解説してみたいと思います。
企業系FPの特徴
企業系FPとは、企業に所属しているFPです。企業は何かしらの商品やサービスを販売しています。お客さまからの相談があった際は、相談に乗るだけではなく、相談で明確になったお客さまの課題を解決する個別商品の提案までしているのが大きな特徴です。具体的には主に以下の3つのタイプがあります。
保険を販売しているFP
一般的にFPという資格を生かして仕事をしている一番の代表が保険会社に所属するFPだといえます。お客さまのライフプランをうかがい、それにもとづいてキャッシュフロー表を作成するなどして、今後の生活のリスクを明確にしていきます。そこで、見えてきた課題を解決する手段として保険を販売や保険の見直しします。
金融機関に所属しているFP
また金融機関の所属するFPも多数存在します。ただFPそのものを仕事にするというよりも、金融機関の昇進条件や自己研鑽のために資格を取得することが多く、実際の仕事でお客さまのライフプランをうかがって提案をすることはまれです。金融機関は金融サービスを提供したり、資産運用に関連した金融商品の販売をしていますが、実はその職員が何らかのFP資格を保有しているというケースも少なくありません。
不動産会社に所属しているFP
他には不動産会社に所属するFPもいます。不動産を購入する際には、住宅ローンを組む場合がほとんどです。その住宅ローンを組んだ後に返済していけるかを確認するためにキャッシュフロー表を作成します。その際にFP的な関りが必要になってくるため、FP資格を取得する職員がいます。
独立系FP
独立系FPとはどの企業にも所属しないFPです。企業に所属していない分、どこの会社の商品も取り扱わず、純粋にFPサービスそのものを対価としてお客さまからいただき、個人で事業を行っています。ですので、保険の見直し相談で具体的な保険商品を提案する、資産運用の相談で個別のファンドを推奨するなどといったことは行いません。
企業の意向に左右されずより純粋にお客さまに寄り添って相談に乗ることができるところが大きな特徴です。
日本ではまだまだ少数派ですが、本場のアメリカではむしろ情報提供や資産管理によってお客さまより対価をいただくスタイルが一般的です。販売重視でお客さまに中立的な対場で接することができない点に疑問を感じて、企業系FPから独立系FPに転じるFPは増えています。私もこの独立系FPに該当します。
企業系FPと独立系FPのどっちに相談したらいい?
上記のようにどのFPに相談するのも一長一短があります。そこで、以下それぞれのFPに向いている相談について分けて書いてみます。
企業系FPへの相談に向いている人
商品の販売までお客さまに提案できるのが企業系FPの最大の特徴ですので、自分に合った具体的な商品まで提案して欲しいとお考えの方は企業系FPに相談するのも一考です。
ただし、商品の販売を行っていることから、企業系FPは販売に都合のよい情報提供に偏りがちで、所属する企業にとって不都合な情報を十分に提供するかというと疑問の余地があります。
昔、保険会社に所属していた方のお話をうかがうと、保険販売に有利な形でキャッシュフロー表を行って保険を販売する営業手法もあるという話を聞いたことがあります。また私自身知っている不動産会社のキャッシュフロー表の作り方を聞いてみると、キャッシュフロー表を不動産販売のお墨付きとして利用しているかのように思われる会社もありました。
ですので、企業系FPが勧めてきた具体的な商品は、自分のとって本当に最適な商品か、疑ってかかるくらいがちょうどよいです。だからこそ、企業系FPに相談する際は、自分がどのような意向でどんな商品が欲しいか、あらかじめあたりをつけておくことが大事です。
独立系FPへの相談に向いている人
独立系FPは特定の企業に所属していないからこそ、企業系FPより中立公平なサービス提供ができる点が大きな特徴です。ライフプランのヒアリングやキャッシュフロー表の作成などを偏りなく行って欲しい、相談後に商品を売りつけられるのが怖いとお考えの方にとっては独立系FPへの相談がよいでしょう。
ただし、特定の商品の提案ができない分、自分のライフプラン実現のための商品を最終的にご自身で見つけないといけない手間はかかります。また、独立系FPは情報提供までしかできない分、商品販売やその後のフォローはしない無責任な関りになる可能性もあります。
私自身、独立系FPの仕事の仕方は無責任だというお言葉をいただく機会が実際にあります。そうならないように自己研鑽もちろんですが、単発ではなく継続的な支援に力を入れております。
また、独立系FPの中には販売業者と提携していて仲介を行っている方もいます。このようなFPであれば、具体的な商品購入のサポートもある程度はサポートできることになります。しかし、提携しているということは紹介料をもらっているケースがあるため、結局は販売側有利な情報提供になる可能性もあります。
ですので、独立系FPとはいっても細かくみていくと、その内容は異なります。独立系FPに相談する場合は業務の収入源についても確認しておくとさらによいでしょう。この点、私は特定の販売業者との提携は行っておりません。
まとめ
一くくりにされがちなFPにも様々なタイプのFPがいます。気になるFPを見つけたら、どのタイプのFPに当たるか確認してみるとよいでしょう。そのタイプによってできる業務も違えば、得意分野も異なります。
私の場合は中立公正な立場からの情報提供に強みがあるタイプのFPになります。サービスの詳細について解説する相談会も実施しております。ご興味のある方は下記のお問い合わせよりお気軽にお問い合わせください。