東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。先日、育児・介護休業法が改正され、来年4月以降、育休制度が一部変わることになりました。
具体的には、子の出生後8週間以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みを創設、つまり、男性産休が認められるようになりました。合わせて、企業には、育児休業の取得の状況の公表が義務付けられました(常時雇用する労働者数が1,000人超の事業主)。
参考:厚生労働省ホームページ
そこで、出産・育児をサポートする各種制度およびその後の教育費など、出産とお金に関する基礎知識等について今回は書いていきたいと思います。
コロナ禍で男性の家事・育児参加は進んだか?
内閣府の調査によると、男性の家事・育児時間が増加しているものの、女性の家事・育児時間も増加しています。また、「家事・育児の役割分担の変化」という項目で2020年5~6月で夫の役割が増加との回答が約26%、直近の2021年4~5月で約17%と、逆に減少しています。コロナ禍で男性の育児参加が十分に進んでいるとはいいがたい状況です。
しかし、テレワーク実施企業に関しては、「男性の役割が増加」との回答が全体の37%と、テレワーク未実施企業で16%に対して大幅に増えています。全体としてはまだまだですが、一部の企業に勤務する社員を中心に男性の家事・育児参加が少しずつ進展している状況もまた見受けられます。
国は男性の育児参加を推進している
少しずつ進みつつある男性の家事・育児参加ですが、特に育児という観点を中心に国は男性の積極参加を推進しています。
今回は男性の産休に関する法改正ですが、男性の育休では、女性と一緒に取得しやすくする制度はあります。具体的には、両親がともに育児休業を取得する場合、原則子が1歳までの休業可能期間が、1歳2か月に達するまで(2か月分はパパ(ママ)のプラス分)に延長され、女性と合わせ男性も育休を取得しやすくする制度(パパママ育休プラス)があります。
そして、厚生労働省ではイクメンプロジェクトというものを立ち上げ、男性の育児参加に関する様々な情報を発信し、男性の育児参加に関する啓発活動も行っています。
このような背景があっての今回の法改正ですので、今後も男性育児参加を促すための各種制度創設や法改正が実施される可能性もないとはいえません。
■結婚後のライフプラン設計のポイント1(出産・育児について)
結婚後にお子さんを出産するかどうかは、やはりライフプランを考える上でも大きな影響があります。
その選択をする上では、まず、出産する場合にどんなサポートがあるのか十分に知っておくことが大切です。そういう意味では、このような法改正にもアンテナを張って情報収集することが必要です。
上記は出産前後の休暇に関する制度でした。加えて収入面でのサポートも存在します。
具体的には、一児につき原則42万円の出産一時金が給付される出産育児給付金がありますさらに、育児休業の開始から6ヶ月は育児休業開始時賃金日額の67%、育児休業の開始から6ヶ月経過後は育児休業開始時賃金日額の50%が保障される育児休業給付金もあります。
出産・育児は2人の協力関係が必要ですが、これは家事・育児という時間だけでなく、お金の面も合わせた生活面での協力が必要です。今後、出産を検討されている夫婦の方々は、時間とお金の両方の観点からこの課題を考えてみてください。
■結婚後のライフプラン設計のポイント2(教育費について)
次に、お子さんを育てていく際にどれくらいのお金がかかるのか、教育費に関する視点です。
こちらはお子さんの進学プランなどによって異なってくるため、正確な金額を事前に算出することはもちろん不可能です。しかし、いつどれくらいかかるのか目安の金額ならあります。
この点、幼稚園は公立約22万、私立約53万8、小学校は公立約32万、私立約160万、中学校は公立約49万、私立約141万円、高等学校は公立約46万、私立約97万円となっています。
ご参考:文部科学省ホームページ 平成30年度子供の学習費調査
大学だと国公立で年間授業料約54万円、入学金約28万円、私立大学で年間授業料約91万円、入学金約25万円程度です。
ご参考:文部科学省ホームページ 私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
もちろん、平均値が実際の教育費を指しているわけではなく、実際に目指す学校が見えてくれば、具体的にいくらかかかるのかの試算はもちろん必要です。
ただ最初の雲をつかむ状況からの最初の一歩としては参考になるので、お子さんが生まれたばかりであれば、参考にしてよい数値だといえます。ここから教育費を算出し、お子さんの成長に応じて見直すというのが現実的です。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。お子さんの出産に関しては、短期的には出産時、育児期の休暇やお給料の保障制度の理解、長期的には教育費の試算が必要になります。
これらについては、政府の関心も高い分野で今後も様々な動きがあると思われますので、私自身情報収集して、相談者様に情報提供をしていきたいと考えております。
具体的にご自身の家庭の場合にどんなプランが考えられるかについては、個別相談にてお受けしておりますので、ご希望の方は以下のボタンよりお気軽にご相談ください。