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家計管理に役立つお金の心理学

家計管理に役立つお金の心理学

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。

私はお金と心理という観点も意識しながら日々の相談業務等に当たることが多いです。実際に「こころ」の動きがあってお金が動く、つまり、人がお金を支払う前には必ず気持ちの変化があります。

この「こころ」の側面を意識することも実は家計管理などにおいて、実は大きなカギになってきます。そこで、今回はお金と心理というテーマで書いてみたいと思います。

悪徳商法によくある手口

実は商品の販売する場面では、心理学的な傾向を生かしたセールストークや広告宣伝が、日々消費者の目の前にて行われています。

その極端でわかりやすい例として悪質商法の典型的なセールス手法についていくつかご紹介したいと思います。

痛みを感じさせる

悪質な商売をしている人は、相手の不安感をあおるようなことを相手に話します。不安をあおり心理的に「痛み」感じさせるのが、短期的に営業成績を上げるために効果的だからです。ただあくまでその効果は「短期的」なものであるため、商売は1回切りになりがちです。ですので、こういう商売をしている人は常に新しいお客さまを探していて、動きがせわしない特徴もあります。

上から目線で話す

こういった商法は自分が上、お客さまが下という図式を作り上げ、相手を思考停止にさせるような関りをします。そうすれば、こちらの話にのってきやすくなるからです。

誇張や断定が多い

悪質な商売をしている人は、話に誇張が多いのも特徴で、なおかつ「絶対」というような言葉をよく使う傾向にあります。将来の事は誰にもわからないので、「絶対」という表現はたいていは不適切です。コンプライアンス的にも配慮に欠ける危ういセールストークになりがちです。

情報を隠す

強調が多い反面で、不都合な情報はふせて相手に教えません。商品やサービスを販売する上で都合のいい情報は誇張して話す、不都合な情報は教えない傾向にあります。それゆえに、お客さまから質問されることを露骨に嫌がる傾向もあります。

勢いで契約させる

悪質な商売はタイミングで商売します。相手が買いたいと思ったタイミングですぐに高額商品を購入させる傾向が強いです。ここでも今契約しないデメリットを強調したセールストークが展開されます。

みんながやっている

悪質な商売は他の人もみんな購入しているかのような話もよくします。みんながやっていて、自分がしないのは損という話を特に強調する点も大きな特徴です。ただそのお話はでっちあげであったり、脚色が入っているケースが少なくありません。

接し方や服装の特徴がある

悪質な商売をしている人は、話し方や接し方が丁寧過ぎるケースもあります。服装は高価なもので身を固めている、きれいにし過ぎている、逆にだらしがないなど両極端です。

マーケティングで利用される心理学

以上の内容をご覧になっていかがでしょうか?少々極端な例もあったかもしれません。ただ、これらの内容はここまでいかずとも一般的なセールスでも利用されている部分もあります。その点も踏まえて、商品やサービスを購入する場合の注意点について書いてみます。

行列に並ぶ

たくさんの人が行列にならんでいると、「一体何があるんだろう?」と気になる方が少なくないと思います。実際にたくさんの人が並んでいるお店は人目を引きますし、いろんな媒体にも取り上げられさらに人が集まるということになりがちです。これは上記でいえば、「みんながやっている」の内容になります。

ただ、たくさんの人が注目していることと自分にとっていいこととは、必ずしも一致するとは限りません。こういったものは、周囲に惑わされずに商品やサービスを落ち着いて評価するのが、特にポイントになります。

ポイント2倍などと数字を強調する

ポイント2倍といわれると、とても得をするように感じてしまいます。ただポイントの場合、買い物をした場合、せいぜい購入代金の1%程度のものが多いですが、その小額が2倍になってもあまり増えません。

これは上記の例でいえば、「強調する」に該当します。サービスや商品の広告で何かを強調している数字があれば、その数字には合理性があるか、自分にとって本当に大きな数字と評価できるか、検討した上でその内容を見る必要があります。

将来の不安を語る

将来がこのままでは不安だから金融商品を…という手法は金融事業者によくあるセールストークです。これは意識的に行っている場合もあれば、そうではない場合もあります。これは、「痛みを感じさせる」の例であり、私もこうなっていないか注意が必要で、他人事ではありません。

一時期に騒がれた「年金2,000万円」問題が象徴的です。年金だけで老後生活を送るために必要な資金を全て賄うことができないケースが多いのは、何も今になって始まった話ではなく昔からそうです。それをどういった経緯なのか不明ですが、将来不安をあおる材料としてマスコミにて報道されました。その後、金融事業者のセールストークにも大いに利用されました。

まとめ

このように見てくると、心理学を意識した手法で様々な営業活動が行われていることがわかると思います。

これを消費者サイドから知ると、不必要な買い物が少なくなり、買ってから後悔することも減ります。今後ぜひ、商品やサービス購入時の参考にしてみてください。

こういった点も含め、家計管理のご相談も受け付けておりますので、ご相談をご希望の方は以下のお問い合わせボタンよりお気軽にご連絡くださいね。

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