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FIREから考える投資の金額

FIREから考える投資の金額

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。最近、本屋さんのお金に関連した分野の本が置いてあるコーナーに行くと「FIRE」ついて書いている本がたいてい目立つところに置いてあります。これに関連して、今回は久しぶりに資産運用を中心に書いてみたいと思います。

今注目のFIREとは何か?

FIREとは、「Financial Independence(経済的自立)、 Retire Early(早期退職)」のそれぞれの単語の頭文字を並べた造語です。一言でいえば、FIREは「早期リタイア」のことを言います。

欧米の若者の間でブームになっているFIREが日本でも注目されています。資産運用でまとまった資産を作って、配当収入で暮らすというライフスタイルですが、これを目指そうと思えば、毎月少なくとも10万円以上は投資に回さないといけません。

余裕資金以上を投資に回してしまい、自分が抱えられる以上のリスクをとって投資をしてしまうリスクもあります。実際にTwitterを見ると、かなりの金額を投資に回している旨の投稿をしている人が少なくありません。

こういう投資をすれば、ここ4~5年の相場が堅調な時期は結果的にうまくいったかもしれません。実際にFIREを達成した人もまさにこの好景気の恩恵を大きく受けたという事実も否定できません。しかし、ここ最近の株式相場の上昇は過去の歴史上例をみないくらいのものであり、極めて例外的な状況です。これだけ上がり続ければ、その分、今後長い期間におよぶ不景気が訪れるのが通常です。

FIREを目指すこと自体否定していませんし、節約して余裕資金を投資に回すのは、FIREを目指さない人にとっても同じですが、無理な金額で投資をすれば、投資のリスクが高くなってしまうので、注意が必要です。

投資のリスクは金額で調整する

資産運用でリスクをコントロールする一番の方法は、金額を調整することです。

商品選びでリスクを調整する方が一般的かもしれませんが、投資に慣れていない方が、どの商品でどれだけ損をする可能性があるか判断するのは簡単ではありません。むしろ、金額という数値から考えた方がわかりやすいケースが多いといえます。毎月の投資金額としては、多くても手取り金額の20%が目安でしょう。

資産に占める投資金額の割合については、生活防衛資金を確保される水準には留めることが必要です。生活防衛資金は少なくとも毎月の生活費の6ヵ月、できれば12ヵ月あるとよいです。

これらは一般的な水準で、よりご自身に即した基準として、肌感覚で考えるのもおすすめです。つまり、自分で投資に回して怖いと感じる水準です。これは自分のリスク許容度を示しているといえますので、意外とばかにできない考え方です。

この点、大きく投資に回して何かあったら一部売却すればよいと考える方もいるかもしれません。ただ売却すれば手数料が発生するケースもあり、運用効率が悪くなります。またそれ以前に大きく損失が出たときには、損した状態で売却するのをためらってしまうので、妥当ではありません。

投資金額の基準はライフステージによって異なる

この投資に回す金額は一定ではなく、ライフステージによって異なります。

比較的若いうちの方が投資に金額を回しやすいですが、年を取ると損失が出たときに挽回する時間が若いときのようにはないですし、老後生活資金の観点からも投資で資金を減らす事態はより避けたい時期なので、資産を投資に振り分けすぎるのは避けたいところです。

また若いうちでも、お金がかかる時期、例えば、お子さんの教育費、住宅費がかかる期間は無理に投資に回さないように特に金額を調整することが必要になります。

ポートフォリオで調整する

一般的には、リスクを調整するのは投資する資産の割合を調整する、つまり、ポートフォリオを考えればよいといわれます。これは、複数の資産に投資をすれば、ある資産が下がっても、他の資産が上がることで、損失をカバーできるというところからいわれます。たしかに、分散投資の観点からこれは必要な考え方です。

ただ、ポートフォリオでどれくらいリスクを調整できるかはわかりません。金融機関等で、ポートフォリオごとに運用のシミュレーションができるシステムなどがある場合がありますが、これは過去のデータから予想したものです。過去がこうだったから未来もそうなるというのは経験則として説得性はありますが、論理的に本当にそうなるということを証明できません。

シミュレーションはあくまで予想であり、当たるかどうかはわかりません。これがプロの運用なら予想が外れてもポートフォリオをその度に入れ替えるなりして調整が可能ですが、お仕事しながら投資をしている一般個人投資家には難しいです。また、最近は相場が急落してほぼ全ての資産が同時に下落することもある時代です。

ポートフォリオを考えるという視点自体は資産運用において必要ですが、それだけでリスクを調整するのは難しいと考えた方がよいでしょう。

まとめ

資産運用では金額で投資のリスクを調整するのが一番やりやすい方法です。FIREがブームになっていますが、過大な金額を投資に回して管理できないリスクをしょい込むことがないように注意しましょう。

FIREのブームは、ある意味では投資のリスクとどう向き合うかを考えるよいきっかけにはなるのではないかと考えています。

どうしてもこういう場ではある程度一般論で書かざるを得ない側面があるのですが、個人相談では直接お話をうかがいながら、投資をする場合、リスクを勘案し、どれくらいの金額を投資したらよいかアドバイスをさせていただいております。

お問い合わせは下記のボタンよりお気軽にご連絡ください。

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