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年金額の確認するときの「ねんきん定期便」の読み方

年金額の確認するときの「ねんきん定期便」の読み方

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。

日々のFP相談では、老後資産以外のご相談でも公的年金の将来の受給額をうかがうことが多いです。現役時代のお金の問題も、老後資産を残せるようにプランを立てる必要があるため、実は年金額についておさえておくことはとても大事です。

その一方で年金はしばらく先のことだと思って把握されていない方が非常に多い傾向もまたあります。そこで、今回は公的年金の受給額の確認方法について書いてみます。

公的年金の受給額の確認はねんきん定期便でできる

公的年金の受給額は、ねんきん定期便で確認できます。ねんきん定期便とは、日本年金機構から通知される保険料納付の実績(加入実績)や将来の年金給付に関する情報です。

これをみれば、自分がいつからどれくらい年金を支払っているか、将来どれくらい年金がもらえそうかを確認することができます。年金というと、だいぶ先のことで支払っている実感も湧きにくく忘れてしまいがちですが、この通知を見ることで年金に関する様々な情報を確認することができます。

ねんきん定期便は誰にいつ送付される?

誕生月の2カ月前に作成し、誕生月に自宅に届くように郵送されます。ですので、1年に1回毎年同じくらいの時期に送付され、年金内容を再確認することができます。また、それとは別に35、45、59歳という節目にも通知されることとなっています。この場合の通知内容も1年に1回のものと同様です。

基本ははがきで通知されるのですが、その通知をなくして日本年金機構のホームページから確認する形態に変更することもできます。こちらの方が、確認したいときに確認が可能なので、ネットでの確認方法に変更する方がおすすめです。

なぜねんきん定期便をチェックすることが必要なのか?

ライフプランを考える際には、老後から逆算して考えるからです。今後の子どもの教育資金、住宅資金など現役時代の大きな出費について考える場合は、それらの個々の資金の問題を点で考えるだけでは十分な対処法にはなりません。

例えば、自分の欲しいと思っていたマイホームを購入できたとしても、住宅ローンの支払いに追われ、老後生活資金が不足してしまうなら、購入した物件はそもそも購入すべきではない物件ということになります。このように、現役時代の様々なお金の問題を考える場合に老後生活資金について考えるのは必須です。そのときにまず考えるのが自分の年金がいくらもらえるのか?という点です。それを確認するのに一番簡単かつ正確なのが、ねんきん定期便の確認です。

ネットでねんきん定期便を確認する方法

日本年金機構のホームページにて登録をすると、はがきでの通知をホームページでの確認に変更することができます。マイナンバーカードをお持ちの方であれば、マイナポータルから確認することも可能です。ネット経由の方が自分の見たいときに最新の情報を確認できるので、紙ベースからネット経由で確認できるように変更するのがおすすめです。そこで以下、ネットでの確認方法への変更手続きについて記載します。

まず、日本年金機構のねんきんネットのページ(検索エンジンで「ねんきんネット」と検索すると出てきます)、の画面右上もしくは右中段にあるいずれかの「新規登録」ボタンを押下します。

すると、ご利用登録として「有効なアクセスキーあり」、「有効なアクセスキーなし」のいずれかを選択する画面に進みます。

はがきのねんきん定期便にアクセスキーが掲載されているので、お手元にはがきがある方は「あり」で登録し、手元にない方は「なし」で登録します。なお、「なし」で登録した場合は、アクセスキーが掲載されたはがきが後ほど自宅に送付される形になります。

そこで、各種個人情報を登録していくのですが、その際には基礎年金番号が必要になります。基礎年金番号は、ねんきん定期便のはがきや年金手帳などに記載されています。いずれもお手元にない方は、勤務先にてあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

ここで登録したIDやパスワードは忘れがちなので、お手元にメモして忘れないようにしましょう。IDやパスワードを忘れてしまい再発行手続をする場合は、自宅にアクセスキーを通知するはがきが送付され再確認する流れになり、手間がかかります。

ねんきん定期便の読み方

ねんきん定期便には表面と裏面の2つがあります。以下、それぞれの画面について説明します。

ねんきん定期便の表面から確認できること

ねんきん定期便の表面からは、①これまでの加入実績に応じた年金額、②最近の年金の支払い状況が確認できます。

これまでの加入実績に応じた年金額(①)

上記はがき見本の真ん中にグラフが掲載されていますが、今までの加入実績に応じた年金額が掲載されます。50歳以上の方であれば、ここには年金の見込み額が掲載されます。

50歳未満の方であれば、今後仮に年金を支払わなかったとしても、最低これだけは年金が将来もらえるということが確認でき、今後年金を支払い続ければさらに金額を増やすことができます。

最近の年金の支払い状況(②)

はがきの右側には金額がたくさん記載されていると思います。ここは、最近の年金の支払い記録が掲載されています。

営業や専業主婦の方などであれば、国民年金、会社員の方であれば、厚生年金のところに金額が表示されているはずです。普段はなかなか年金を支払っている実感が湧きにくいかもしれませんが、この数字をみると毎月結構な年金額を納付していることがわかります。

ねんきん定期便の裏面から確認できること

ねんきん定期便の裏面からは、①これまでの年金加入期間、②老齢年金の種類と見込額(②)が確認できます。

これまでの年金加入期間(①)

はがきの右上の方には、これまでの年金加入期間が記載されています。会社員の方であれば、厚生年金の加入期間長いものの、一部国民年金にも加入している期間がある状態の方が多くなるケースが多いです。

どうして2つあるのかとときどきご質問をいただくことがありますが、これは学生時代の分の年金です。学生でも20歳になれば年金の支払い義務が生じます。学生のときは会社員にはなっておらず、年金の被保険者分類が自営業等と同じになり、国民年金を支払う形になります。

老齢年金の種類と見込額(②)

こちらは自営業の方は老齢基礎年金、会社員の方であれば厚生年金にも加入しているため、老齢基礎年金と厚生年金の2つに金額が表示されます。表面でも年金支給額がわかりますが、こちらではその内訳を確認できます。

まとめ

ねんきん定期便は普段あまり見ることがないかもしれませんが、見方にもポイントがあり、それを理解すれば、難しくはありません。

何度も繰り返しますが、年金は老後のことだけの問題ではありません。毎月ご自身がいくら払っているか、老後の受給額はどれくらいになるか、ときどきチェックするようにしてください。その受給額がどれくらいかがわかって始めて現役時代を含めたライフプランを考えることができます。

直近で生じるライフイベントに備えた資金計画をご相談時には、このねんきん定期便を前提としてお話をうかがわせていただきます。年金制度の詳細も合わせて解説させていただきますので、ご相談をご希望される方はお気軽に下記からご相談ください。

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