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投資のリスク、手数料、商品性などをチェックするための目論見書の見方

投資のリスク、手数料、商品性などをチェックするための目論見書の見方

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。

資産運用をしていると、始めるときの注意点については様々なところで情報発信されていますが、意外と抜け落ちなところがあります。それが目論見書のチェック方法です。今回は、この目論見書のチェック方法に焦点を当てて書いてみます。

目論見書とは

そもそも目論見書とは何なのでしょうか?目論見書とは、投資する金融商品に関する重要事項が記載されている書面です。電化製品でいえば、取扱い説明書や保証書などに近いといえるかもしれません。

要は投資しようか気になる銘柄があった際に、個人投資家がその投資判断を決めるための判断材料として提供されている書面が目論見書です。そして、購入前に金融機関はこの目論見書を投資家に交付しなければならないことが法令で定められています。

具体的なものをお見せした方がわかりやすいと思うので、以下、サンプルを掲載します。

目論見書のどこをチェックする?

目論見書は投資判断に必要な情報が網羅的に掲載されているため、情報量はとても多いです。ただポイントを理解すれば、投資初心者の方でも読みやすくなります。そのポイントは以下の4点です。

ファンドの商品性(目的・特徴)

まずはファンドの目的・特徴、つまりファンドの商品性です。ファンドがどのようなところに投資をしているか、当該ファンドの他のファンドとの違い(売り)はどんなところか、について確認することができます。

先ほど例に挙げたニッセイ外国株式インデックスファンドでみてみると、当該ファンドは、日本を除く主要先進国の株式に投資すること、株式の指数に連動したインデックスファンドであること、手数料の低さが他のファンドとの違いであることがわかります。

次ページ以降には専門的な用語説明もあるのですが、こういったおおまかな内容を理解できれば、最低限OKです。

投資リスク

次が投資のリスクです。投資は元本保証ではなく、値下がりのリスクがあります。具体的にどんな種類のリスクがあり、それがどれくらいのものか、をここで確認するのがポイントです。

先ほどのニッセイ外国株式インデックスファンドであれば、日々価格が変動することで元本を欠損する可能性のあるという価格変動リスク、価格以外に為替の変動でも元本を欠損する可能性があるという為替リスク、換金したい場合にすぐに換金できないケースが生じうる流動性リスクがあることがわかります。さらに、その価格の変動として、どれくらいの変動があったかを具体的に確認することもできます。

上記を見ると、ニッセイ外国株式インデックスファンドであれば、他の株式と比較して値上がり幅にはそん色ない反面、下がりの幅は低めに抑えられており、リスクとリターンのバランスがよさそうなファンドであることがわかります。

運用実績

第三が運用実績です。ファンドの場合、理論上素晴らしい商品であっても、実際にその通りに運用される保証はありません。ですので、運用の目的に沿った運用が実際にできているか過去のデータのチェックが必要です。

こちらでは運用開始時点から現在にかけての値動きおよび運用残高、どのような国・業種・銘柄に実際に投資をしたのかを確認できます。ここでは、想定していたような価格変動になっているか、運用残高は順調に積みあがっているかに特に注意が必要です。

ニッセイ外国株式インデックスファンドであれば、概ね資産は順調に伸びており、コロナショックのときを除けばある程度急激な価格下落も防ぐことができており、概ね想定通りの運用ができていると考えることができます。また、運用残高も長期的に伸びているので、残高も問題ないといえます。

そして、運用はアメリカ中心であること、業種や銘柄でいえば、IT系が多いことがわかります。(引用したのはページの一部ですが、運用実績のページ全体を確認することでこれらを確認できます)

手数料等

最後が手数料等です。手数料が高いと運用効率が悪くなるので、基本的には低コスト型のものを選ぶのがセオリーです。またその手数料がどんなときにかかるかも大事です。

ニッセイ外国株式インデックスファンドであれば、購入、換金時には無料、保有時に0.1%程度かかることがわかります。ここは他の同種のファンドと比較することで、コストが安いかどうかが評価できますので、他のファンドもチェックしてみるといいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?上記のポイントは最低限の事項であり、他にも気になる点があれば、チェックをしてご自身が納得できる形にするのがベストです。

目論見書をあまり見たことのない方にとっては、難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただこのように1つ1つ見ていくことで投資をするにあたっての重要事項は網羅的にチェックできます。

私自身、金融商品の販売はしていませんが、1つ1つの商品がどんな商品性があるかなどを解説させていただくことはもちろん可能です。金融商品の商品性の解説も合わせた資産運用に関するご相談も承っていますので、ご入用の方は、お気軽に下記よりお問い合わせください。

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