若い方が投資で失敗しがちなこと~FIREを意識して生活防衛資金が不足する

若い方が投資で失敗しがちなこと~FIREを意識して生活防衛資金が不足する

東京都練馬区のFP(ファイナンシャルプランナー)の佐藤彰です。

投資というと、なかなか始められないという方が多い反面、逆に投資をし過ぎる方も実は少なくありません。

相談者さまの中でも、特に30代くらいの普段から将来のライフプランなどを考えているご夫婦に意外と多い傾向にあるように感じています。

最近はFIREがブームになっています。SNSのインフルエンサーなどそういった投資を推奨する、もしくは実行しているという話を耳にすることもあります。そのせいか、一部の間では若いうちから積極的にお金を投資に回す人も増えているのではないでしょうか?

そこで、今回は若い方が投資で失敗しがちなことというテーマで書いてみたいと思います。

若いうちに投資を始めるメリットおよびデメリット

まずは投資を始めるメリットおよびデメリットについて整理してみたいと思います。

この点、メリットとしては将来まとまった資金が必要なライフイベントに備えやすくなることが挙げられます。

例えば、老後生活資金に備える場合、若いうちから投資をした方が運用期間は長くなり、運用に複利の力がはたらくため、より資産を大きくするチャンスが増えます。投資の場合、例えば、1年間で5%利益が出たらその翌年はその増えた金額からさらに〇%増えるというよいうに雪だるま式に資産が増えていきますが、これが複利の仕組みです。

一方で、若いうちに投資を始めるデメリットとしては、今使えるお金が少なくなることです。

必要なものを買うときの選択肢が狭まるというのもありますが、お金を使うことで得られる知識や経験などが十分に得られない、自己投資に十分お金を回せなくなるおそれがある、という点も懸念されるポイントです。

また、リスクへの備えという観点からのデメリットもまたあります。つまり、生活防衛資金が不足するデメリットです。

例えば、交通事故に遭った、病気になったという場合の医療費などは事前に予想することが難しい反面、いざというときのためにすぐに出せる資金を確保しておく必要があります。保険を利用する方法もありますが、すぐに保障されるわけではないので、現金で用意をするにこしたことはありませんので、結局現金は必要です。

SNSYouTubeのインフルエンサーの情報は玉石混交

投資に積極的に資金を回している方々の場合、将来のことを考えるあまり、この生活防衛資金が不足しているケースが少なくありません。

どうしてそんなに投資に回すのか確認してみると、計画的に投資に資金に回しているかというとそうではないケースがほとんどです。「とりあえず老後のため」くらいに考えて、とにかく現金を投資に回してしまっているケースが意外と多いです。

その要因は、ネットで積極的に情報収集するあまり、SNSのインフルエンサーなどが発信している情報に惑わされてしまっていることが挙げられます。ネットの場合、インフルエンサーの声が大きくなりがちなのである程度は仕方がない部分もないとはいえません。

熱心に情報収集することはとても素晴らしいと思いますが、投資の情報は玉石混交ですし、インフルエンサーがお金の専門家とは限らない点にも留意が必要です。

相談者のお話を伺って当該傾向を感じた場合、そのことをお伝えして、投資に回すお金を減らしていただくご提案をさせていただいております。

そのときにお伝えしているのが、お金には種類があるというお話です。具体的にはお金には3つがあります。

お金には3つの種類がある

その3つとは、生活資金、生活防衛資金、余裕資金です。

生活資金とは、日々の生活にかかるお金、通信光熱費、食費、住居費などです。生活防衛資金とは、万が一何かあった際に備えて用意しておくお金です。余裕資金は、しばらく使う予定のないお金です。

投資に回すことのできるのは、このうちの余裕資金です。このような3つの区分けをしないで生活資金以外を投資に回してしまい生活防衛資金を用意していない方が若い方の一部にいらっしゃいます。

それでは、生活防衛資金の目安はどれくらいなのでしょうか?

この点は、ファイナンシャルプランナーの間でも見解がバラバラで一概にはいえませんが、会社員の方の場合、6ヵ月の生活費は手元においていただきたいところです。一方で社会保障が会社員より手薄な自営業の方であれば12か月の生活費は少なくとも手元に置いておいていただきたいところです。

これは生活に支障をきたさないようにという点もそうですが、精神衛生上という観点からもそうです。人は目の前の生活を送る上で必要なお金にも心配する状況におかれれば、日常生活で理性的な判断ができなくなります。お金の面でもゆとりを持つという観点も非常に大事に視点です。

まとめ

このように、FIREなど投資がブームになっていることもあり、若い方の一部には生活防衛資金を確保せず、投資に金額を回し過ぎる方が少なからずいらっしゃいます。

投資の場合、人によって個々の状況は違います。SNSではこういう投資をすればいいと安易に投資をマニュアル化するような傾向も感じますが、こういった情報を鵜呑みにしまいことも大切です。

生活資金、生活防衛資金、余裕資金の3つをどう分けるか、その上でどのように投資をしていくか、他人の情報ではなくご自身の状況に合わせて投資をすることをぜひ心掛けてください。

専門家の判断が必要とお考えの方は、個別相談もお受けしておりますので、お気軽にご連絡ください。(もちろん、私の話も鵜呑みにしないことは重要です)

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