アクティブファンドはインデックスファンドと違い、運用担当者の視点により1つ1つ運用の仕方が違います。
ですので、投資する際はそのファンドがどんな内容なのかを様々な情報で把握する必要があります。
この調べる手間が惜しい方や、自力で調べて投資判断する自信のない方は無理してアクティブファンドを購入する必要はなく、インデックスファンドの購入だけでも差し支えありありません。
むしろ、ここをいい加減にして投資を行うことはアクティブファンドを購入する上で一番やってはいけないことです。
■アクティブファンドを選ぶ際の確認事項
まず第一に、どのような運用方針を持っているかを調べることが大切です。
例えば、日本株の投資するアクティブファンドでも、一定の基準で選定した株を集中的に保有するのか、より幅広く投資するのか、購入した銘柄はどんなときに入れ替えるのか、などタイプが異なります。
これらの情報は、運用会社の発行する目論見書や運用報告書の書面にて確認することができます。
なお、一部の運用会社にはホームページに運用担当者による投資哲学、運用スタイルを説明しているので、こういった情報もないかチェックしてみるとよいでしょう。
次に運用の実態のチェックです。
運用方針を持っていても、それが実行されていなければ意味がありません。
そこで、実際に運用方針通りに運用が実施されているかを前述の目論見書や運用報告書にて確認します。
こういった資料には具体的な組み入れ銘柄について記載されています。その内容を見て運用方針通りかを確認します。
投資方針から幅広い投資を行うかと思ったら意外と特定の銘柄への投資が多かった、投資している会社の業種が意外と特定の業種に偏っている等、具体的な内容を見て気がつくことも意外とあるはずです。
なお、近年は投資家に積極的に情報を公開していく流れがあり、運用会社の中には、ホームページで運用責任者の名前や顔写真まで掲載しているところもあります。
そういった情報から運用責任者がどのようなことを考え運用しているかも実態をチェックすることも可能です。
最後に、運用の過去の実績の確認です。
運用が過去にうまくいっているからといって、未来もその通りにいくかどうかは論理的には整合しません。
しかし、過去の運用状況を確認することは、先ほどの運用の実態の確認に通じる部分もあります。
例えば、リスクを抑えた投資を行う方針のファンドであれば、実際の価格変動の動きが実際に抑えられているか確認することができるでしょう。
また、運用してどの程度の値動きがあるか予想を立てる材料になります。
例えば、1年間の騰落率を見て値上がりが最大で60%で値下がりが20%とあれば、それを一応の目安として見ることができるでしょう。
そして、値動きについては単独のファンドを見ただけで、それが優秀な成績なのかどうかを判別することは必ずしも容易ではありません。
ですので、同種の複数の投資信託と運用パフォーマンスを比較してみることがおすすめです。
有名なところではモーニングスターという投資信託の様々な情報を提供している会社があります。
この会社のホームページから期間ごとの同分類における運用成績を比較することが可能です。
モーニングスター社のホームページ:https://www.morningstar.co.jp/
また、この比較をする際に、合わせて運用残高や資金の流出入も確認していくとよいでしょう。
残高が小さいファンドは運用の途中で償還される可能性がありますし、流出が多いファンドにも同じリスクがあるので極端な場合は選ぶファンドから外すというのも1つの方法です。
■アクティブファンドを選ぶのは簡単ではない
以上のように見てくると、個々のアクティブファンドの運用を行う場合に事前に調べる事項は多いですし、本当にこれでいいかの判断は簡単ではありません。
チェックをしてみて自信のない場合はしばらく様子を見てから再度検討するか、インデックスファンド1本で運用するという方法も十分に検討の余地があると思います。
ただ、資産運用を行う上での勉強には大いにつながりますので、今すぐ購入を検討していなくても、勉強のつもりで上記の作業だけ行ってみるのは、ためになるでしょう。