僕が金融機関の外に出た理由

僕はもともと13年間、金融機関(具体的には証券会社)に勤務していました。

資産形成の話をするなら証券会社の中でもできるのに、なぜ、証券会社の外に出て仕事をしているのかと言われれば、それには理由があります。

それは、証券会社の外部でこそ、本当の意味で様々な方の資産形成のサポートができると考えたからです。

以下、そのように考えるようになった経緯について書いてみたいと思います。

■伝統的な証券会社に勤務して感じた限界

証券会社は基本的には営利企業です。営利企業であれば売上を上げる必要があります。

一般的に企業が売上を上げる場合は客数×単価×購入回数の3つの数字を考えます。

証券会社で新しくお客様を見つけるのは時間もコストがかかります。

そして、たいていの証券会社は単価と販売回数の向上を意識して営業活動を行っています。

証券会社では販売した金融商品の手数料が主な収益源です。

そのため、同じ金額の商品を販売するならできるだけ大きな金額で行い、同じ金額であればできるだけ手数料の高い商品を売ることになりがちです。

さらに、金融商品を保有しているお客さまにはそれを他の金融商品へ乗り換えを提案する営業になりがちです。

もちろん、お客様の利益を考えてこれらの提案が行われるのであればそこまで問題ではないかもしれません。

しかし、現状は会社の利益が先行して営業活動が行われる傾向にあります。

お客さまは昔から取引している方がばかり、しかもまとまった金額で投資ができるいわゆる富裕層と呼ばれる方だけに意識が向かっている営業活動。

しかも、その一部のお客さまへも資産形成という観点で必要な提案が行えていない。

僕が当時感じていた現場の実態がこれでした。

僕は、証券会社在籍時に営業よりも営業の現場で不公正な営業活動が行われないようにチェックをするちょっと変わった仕事に長年携わってきました。

どうしたら、このよう状況が変わるか考えたところ、個々の営業員の資質というよりも伝統的な証券会社のビジネスモデルそのものに問題があることに気がつきました。

そして、証券会社の内部から声を上げてビジネスモデルを変えていくことは可能かどうか疑問でしたし、できたとしてもあまりに時間がかかり過ぎると感じました。

■新興の金融機関への転職

何年も考えた上で、今の勤務する証券会社から他の証券会社へ転職することを考えました。

金融機関の中でも、伝統的な金融機関とは違ったビジネスモデルで業務推進している会社があるのではないか。

そういった新勢力の証券会社がお客さまに支持され大きくなっていけば、伝統的な証券会社も変化せざるを得なくなるのではないか。

結果的に変革につながるのではないか、と考えての決断でした。

その新勢力になるであろう会社を調べたところ、証券会社の中にもITを融合してビジネス展開する企業も増えていることを知りました。

結果として転職活動を行い、何とかその新興の証券会社の1つの転職することができました。

しかし、そこでも、客数×単価×購入回数の3つの数字で営業活動を考えるというところは変わりませんでした。

客数を伸ばすだけでは営業活動がうまくいかないため、結局、以前いた証券会社と徐々に似たような営業活動になっていくのを感じました。

■金融機関の外部に出る決断

証券会社が、継続的に業務を継続していく上で、お客さまにできるだけ高額かつ手数料の高い金融商品を頻繁に売買していただくというビジネスモデルから脱却することは困難です。

悩んだ末、お客さまに必要な資産形成のアドバイスや情報提供を行うためには金融機関の外に出るしかないという結論に至りました。

自分が今まで所属していた業界や勤務先について悪く言うことに抵抗がないわけではありません。

しかし、こういう実態があることから金融機関の外部で活動することが、金融機関が健全化する上でも結果的につながると考えています。